これはネット上の噂話ではない。ウクライナの国営原発企業エネルゴアトムの発表である。
9月30日午後4時頃、ザポリージャ原発のイーグル・ムラショフ所長が、発電所からエネルゴホダル(原発所在地)の市街地に向かっていたところ、ロシア軍のパトロールに止められ、車から引きずり出された。
所長は目隠しされ、連れ去られた。現在、ムラショフ所長はどこにいるのか、安否はどうなっているのか、不明だ。
エネルゴアトムは「核へのテロである」との見解を示している。
事件はプーチン大統領がザポリージャの領有を宣言した直後に起きた。自国の“領土” だからウクライナの原発所長を連れ去っても構わない、という理屈だろうか。
ザポリージャ原発にはロシアの原発企業ロスアトムの技術者11人が、侵攻直後の3月11日から駐在して、ウクライナの技術者をコントロールしていた。
ヨーロッパ最大の発電量(6千メガワット)を誇るザポリージャ原発。所長不在にして送電インフラを整備すれば、発電した電力のすべてをロシアが得、ウクライナには1ワットたりとも送らないようにすることも可能だ。
プーチンの理屈から言えば「ロシアの領土にある原発から得た電力」ということになる。
~終わり~
◇
読者の皆様。
プーチン大統領が30日、領有を宣言した直後に起こした事件がザポリージャ原発所長の拉致でした。これも核テロです。
これから何が起きても不思議ではありません。一区切りつくまで現地に滞在して、真実を発信して行かねばならないと考えています。