ウクライナ第2の都市ハリコフはいまだ戦争の只中にあった。兵隊出身の通訳氏は「(ロシア軍侵攻直後の)3月頃のキーウと同じだ」と表現したが、まさにその通りだ。
市役所前広場の掲示板に唸った。「機関銃だったら戦車のここを狙え」「RPG砲だったらここだ」・・・とロシア軍戦車の撃破方法が図で分かりやすく指南されている。もちろん軍の監修である。
領土防衛隊はもとより市民にも兵器が渡っていることは言うまでもないが、いざという時に立ち向かえるようにしているのだ。
ホテルにチェックインしようとしたら、受付に土嚢が積まれていた。パレスチナ、アフガニスタン、ナゴルノカラバフなど戦地のホテルに数えきれないほど泊まったが、土嚢が受付に積まれているのを見たのはこれが初めてだ。
日本に喩えたら大阪にあたる街はひっそりと静まりかえり、商店という商店はすべてシャッターを降ろしている。
約400人の集団埋葬地(マスグレーブ)が見つかったイジューム市が属する、ハリコフ州の州都がハリコフ市である。
~終わり~
◇
読者の皆様。
ハリコフやイジュームという東部への取材は莫大な費用がかかります。通訳とドライバーの宿泊費はもとより危険手当も出さなければなりません。
取材を敢行すべきか迷いましたが、思い切って踏み出しました。恐ろしいほどの大赤字となっております。ご支援何とぞ御願い申し上げるしだいです。
↓