世界最悪レベルとなった東電福島原発の事故(2011年)直後を思い出す。国民の怒りと行政への不信は頂点に達していた。
毎週末のように1万人を超す巨大デモが掛けられた。国会議事堂を包囲することも当たり前の光景としてあった。
国会突入(1960年)を経験した往年の闘士に「60年安保の時と原発事故とではどちらが国民の怒りは大きいか?」と尋ねた。
闘士の答えは明快だった。「原発事故の方が怒りは大きいね。自分の健康に関わってくるからね。安保はイデオロギーなんだよ」。
安倍元首相暗殺を機に「統一教会と政治」の闇が一気に陽のあたる場所に出てきた。
身ぐるみはがし2世までをも地獄に突き落とす悪徳商法を取り締まるはずの警察に、政治が圧力を掛けて、捜査が及ばないようにしていたのだ。
「パンドラの箱が開いた」と表現する向きもあるほどである。
原発事故が健康問題であるとすれば、霊感商法は生命財産を脅かす問題だ。
にもかかわらず、原発事故の時と違って国民は怒りを表に出さない。
新聞テレビもごく一部を除けば及び腰である。統一教会とお身内なのだから、当然と言えば当然だ。
岸信夫防衛相が開き直れるのも、あまたの自民党議員が「知らずに名前を貸した」などとボケられるのも、記者クラブメディアの追及が手ぬるいからである。
新聞テレビをあてにしてはいけない。国民は怒りを露わにして統一協会と関わりのあった議員たちを引きずり降ろさなければならない。
今許せば、日本はカルト天国となり、国民は汗水流して築きあげた財産をすべて持って行かれるだろう。第2第3の山上容疑者が現れても不思議はない。
~終わり~