開戦から41日目、4月7日。
「プラハの春」(1968年)。チェコの民主化をソ連軍戦車のキャタピラーが蹂躙したモノクロームの映像を思い浮かべながら、私は準備をしてきた。
ロシア軍戦車は大統領府を押さえるはずだから、この物陰から撮影して、この道順でホテルまで走って帰って、『田中龍作ジャーナル』にアップロードして・・・気持ちは壮大だった。
ロシア軍の戦車部隊が首都侵攻を目指していたことは間違いない。
ところが、キーウの入り口で ことごとく ウクライナ軍に撃破されているのである。いずれも幹線道路沿いで、砲身はキーウ方向に向いたままだ。
戦果をチェックに来たウクライナ軍兵士に、どの兵器がロシア軍の戦車に対して有効だったのかを聞いた。
焼け焦げた敵方の戦車をビデオに収めていた兵士は「ドローン」「対戦車ミサイル(Javelin)」「砲撃」の順で答えた。
ほとんど無傷で「生け捕り」にされたロシア軍戦車もある。
その場合、たいがいロシア軍兵士のブーツが脱ぎ捨ててある。捕虜になったのか、逃走したのか。
ロシア軍戦車部隊は完膚なきまでに叩きのめされた。ロシア軍が部隊を立て直して再び首都攻略を目指したとしても、通常戦で勝利するのは難しい状況だ。
米国防総省は6日、ウクライナに自爆型ドローン「スイッチブレード」100機を提供した、と発表した。
首都周辺から敗走するロシア軍に追い討ちをかけるに等しい。
焦ったプーチン大統領が大量破壊兵器を使用したりはしないか。気がかりでしょうがない。
~終わり~
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カードをこすりまくっての現地取材です。
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