立憲代表選 小川淳也「私たちが作った社会を私たちが変えられないはずがない」

小川淳也候補。真剣な目が本気度を表していた。=19日、有楽町 撮影:田中龍作=

 選挙で大敗を喫し辞任した枝野代表の後継を決める立憲民主党の代表選挙がきょう19日、告示された。

 「えっ!日頃、立憲をdisっているアンタがどうして代表選を記事にするのよ?」と首を傾げる向きが少なくないことだろう。なぜか。田中は世代交代を伝えたかったからだ。

 必要な推薦人20人がなかなか集まらず、立候補を表明したのが18日夕だった。4候補のなかでは最も出遅れた。とはいえ、党内の事情に詳しい人物によれば「最も伸びシロがあるのが小川淳也(候補)」だという。

 「なぜ君」などで顔の売れた小川は、地方や党員サポーターからの人気がある。決戦投票となった場合も、小川は立憲系、国民系、旧無所属の会からの支持が得られる、と分析する。(※代表選の仕組みは3段目の写真の下に記す)

 田中は小川に着目した。田中が小川に着目したのは4候補のなかで、国民を裏切った古い民主党と最も距離があるからだ。小川は過去にTwitterで「なぜ民主党政権が下野したのか反省をしない限り、信用は戻らない」と述べていた。

 告示後、党本部での4候補共同記者会見を終えると、小川は有楽町で青空対話集会を持った。衆院選挙期間中、地元香川で続けていた有権者との対話である。

 参加者は50人ほどだったが、地べたに座って小川の話に耳を傾けた。小川は有権者の質問を腰をかがめて聞いた。そして分かりやすく答えた。

 小川は聴衆に「私たちが作った社会だから、私たちが変えられないはずがない。その先頭に立たせて頂きたい」と語り掛けた。

 「今の社会は政治が作り出した地獄。政治を変えれば社会は変えられる」。山本太郎は常々言う。小川と山本のフレーズがよく似ていることに驚く。

 政治の変革 ― 革命といってもよい ― 大それたことをしでかす男に共通する政治哲学だろうか。

青空対話集会。地べたに座った有権者が質問をし、小川候補は腰をかがめて聞く。=19日、有楽町 撮影:田中龍作=

 「コンクリートから人へ」「消費税は上げない」とマニフェストで謳って政権の座に就いた民主党(立憲の前身)が、国民との約束を反故にして原発を再稼働させ、消費税を上げた。2012年、野田政権である。

 国民の失望と反感を買った民主党は総選挙で大敗を喫し、自民党を帰り咲かせた。安倍政権という地獄に道を開いたのが民主党(立憲の前身)だったのだ。

 下野後も民主党にはA級戦犯たちが居残り、立憲民主党となっても彼らが党を支配した。国民は騙されたことを忘れてはいない。消費税を上げられて生活苦を強いられるようになったのだ。信用が戻るはずもない。2009年をピークに投票率が低下基調であるのは、その証拠だ。(文中敬称略)

ガンバロー三唱。音頭を取ったのは一期目の塩村あやか議員。世代交代を象徴する光景だった。=19日、衆院会館 撮影:田中龍作=

 (※)
 
党員サポーター票が143ポイント、地方議員票が143ポイント、国会議員票が286ポイント。計572ポイント。1回目の投票で過半数の287ポイントを獲得した候補者が新代表となる。
                 
過半数を取る候補者が出なければ、上位2人で決選投票となる。国会議員286ポイント。都道府県連代表47ポイント。計333ポイント。過半数の167ポイントを獲得した候補者が新代表となる。

  ~終わり~

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