【横浜市長選】 田中康夫氏出馬「一本化は開かれた談合」 非自民間の調整を否定

記者会見する田中康夫氏。=8日、横浜市内 撮影:田中龍作=

 プロ野球にたとえるならクライマックスシリーズはなくなった。8月22日投票の横浜市長選挙は非自民同士で競合することになりそうだ。

 きょう8日、元長野県知事で作家の田中康夫氏が記者会見を開き、横浜市長選に立候補することを表明した。

 場所は老舗のホテルニューグランド。眼前に広がる山下公園と共に港ヨコハマの象徴である。『なんとなく、クリスタル』で文壇に躍り出た田中氏らしい場所設定だ。

 カジノに反対する非自民系候補としては、すでに山中竹春・横浜市立大学教授と弁護士の郷原信郎氏が立候補を表明している。

 郷原氏は話し合いによる候補者調整もあるとしている。非自民同士の足の引っ張り合いを避けるためだ。

 一本化についてフリ―ジャーナリストから質問が出ると、田中氏は「立候補の意志を記者会見で表明していながら、その後、すり合わせるというのは開かれた談合のようなもの」として一本化を否定した。

 かりに郷原氏と山中氏との間で調整がついたとしても、田中氏と競合することになる。

「えっ!まだ●●にオフィス置いてんの?」。フリーランスであろうが、マスコミであろうが田中氏は面識のある記者の特徴をよく覚えている。大物政治家はファイルが分厚い。=8日、横浜市内 撮影:田中龍作=

 田中氏は2016年の参院選・東京選挙区に「おおさか維新の会」から出馬したことがある。これについて聞かれると、「私の黒歴史です」と言葉を噛み締めるように語った。おおさか維新が「住民自治を破壊する不幸せな都構想」を2度に渡って実現しようと画策したことなどを理由に挙げた。

 過去の出来事に関して頬被りし、ウソと詭弁と強弁でゴマカす政治家がほとんどの中、田中氏は過ちを素直に認めたのである。歴史を改竄しなかったのだ。

 FMヨコハマでディスクジョッキーを務め今秋で7年になる。自らも横浜に暮らす田中氏は、地元の特性をよく調べていた。

 メモに目を落とさずに数字を挙げながら、政策「12の取り組み」を発表した。

・悪評の「ハマ弁」から単独校調理方式による給食への転換

・IRカジノは止める

 など基本路線はあくまでも生活者の立場に沿ったものだ。

 ライバル陣営は田中氏を「発信力もある。何より知事の実績があるからね。手強いよ」と評した。

   ~終わり~

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