大義なき合流 玉木代表「金で揉めれば国民から見放される」

玉木代表と平野幹事長。合流と分党に向けて円満解決にあたる。=19日、都内 撮影:小杉碧海=

 国民民主党はきょう19日、最高意思決定機関である両院議員総会を開き、立憲民主党との合流を賛成多数で決めた。

 玉木代表、前原元民進党代表、山尾議員らは合流に参加せず新党結成を目指す。

 全国幹事会・自治体議員団等代表者合同会議→ 両院議員総会 → 両院懇談会 → 再び両院議員総会・・・大詰めを迎えた立憲との合流について、協議は6時間余りに及んだ。

 最後に結論を問う形で以下が執行部から提案され、賛成57:反対2で了承されたー

(立憲との合流)新党結党に向けて、最後まで国民民主党全員での新党への参加の努力を続け、

全員参加が叶わない場合には、さらなる大きな塊に向け、円満かつ友好的に諸手続きが進むよう、その対応を代表・幹事長に一任する。
 
 言葉はきれいだが、どうにでも取れる文章だ。前段だけ読めば、全員で立憲に合流するのだから、分党ではない。

 実際、みんなで合流派のある議員は「分党なんか決めてはいない」と話す。

 後段を読めば分党もありうる。玉木代表は両院議員総会後の記者会見で「分割(分党)も含んでいる」と答えた。

 もしかりに分党が認められなければ、合流に参加しない議員は離党となる。資金豊かな国民民主党の金庫に眠る50億円は、合流議員の持参金として立憲に渡る。

 マスコミを賑わす「金目当ての合流」である。総会後の記者会見でも50億円の行方をめぐる質問が相次いだ。

 玉木代表は「お金で揉めるようなことがあったら、それこそ国民に見放される。全額国庫に返納した方がいい」と険しい表情で答えた。

 カネ目当ての勢力に対する牽制とも取れる。


泉議員と小熊議員。合流推進派の2人は嬉々とした表情で会場に入って行った。=19日、都内 撮影:小杉碧海=

 3年前のあの日と同じ光景を見る思いだった。

 安全保障や憲法観などで政策がまったく違う小池新党(希望の党)に、民進党所属の衆院議員が雪崩を打って移籍しようとしたのである。

 このままでは選挙を戦えないというのが理由だった。

 今回と同じだ。

 だが民進党出身の議員、とりわけリベラル系は、小池ゆりこ党首(当時)の選別に遭い、排除された。

 希望の党は選挙で惨敗、翌年5月、解党。民進党と合併し国民民主党となる。

 今回の合流は「振り出し」に戻ったような感覚を抱かせる。既視感といってもよい。

 大義なき合流はまた同じ結果を招くのだろうか。

最後に挙手で決を採って「合流」と「分割」を決めた。=19日、都内 撮影:田中龍作=

    ~終わり~

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