政界の異端児をめぐる水面下の動きが、記者たちを走らせている。
馬淵澄夫議員が「山本を応援する国会議員が40~50人いる」と明かしたからだ。
2日夕、新宿西口。山本太郎の街頭演説会場にA議員(立憲)の姿があった。“たまたま” 通りがかったという。
A議員は消費税減税派だ。田中に「政界再編成があったら、山本君と一緒に仕事をするかもしれないからね」と屈託なく話した。
ものの数分もしないうちに、某大手メディアの記者が嗅ぎつけ「あれっA先生、きょうはマイクを握るんですか?」と緊張した声で聞いてきた。マイクを握るとは応援演説をすることだ。
A議員は「そんなことしたら、僕は離党届を出さなきゃいけなくなるよ」と言って否定した。
別の大手記者がすぐにA議員を発見して同じ質問を浴びせた。いたたまれなくなったのか。A議員は間もなく現場を立ち去った。
立憲執行部は上述した40~50人の洗い出しに懸命だ。昨年の参院選で立憲は比例票を約300万票も減らした(2017年の衆院選比例票と比べて)。このままでは秋にも予想される衆院選を戦えない、との不満と反発が若手を中心に充満する。執行部は気が気でない。
1日、亀有(葛飾区)であった山本の街頭演説会場。永田町の裏の裏まで知り尽くす老練ジャーナリストの堀田喬によれば、立憲幹部某議員の秘書2人が偵察に来ていた。
堀田が「お前ら何しに来てんだ? こんなヒマがあったら宇都宮さんの選対に行って電話掛けかビラ配りでもしろよ」と一喝したところ、2人はスゴスゴと逃げて行った、という。
立憲幹部がことほどさように山本太郎の動きに神経質になるのは、9月に代表選挙が予定されているからだ。
山本を応援する立憲の若手議員らが枝野執行部に叛旗を翻すものと見られている。今は身を潜めている30~40人が、一気に表に出るのである。
3日は国民民主の前原誠司(前民進党代表)が維新推薦候補の応援に入る予定だ。
都知事選挙の結果しだいでは野党再編成が一気に進むことになる。(文中敬称略)
~終わり~