
写真を撮るのは忍びなかったが、「救急車は来てくれる」ということを苦しんでいる人々に伝える必要があると思い、カメラのシャッターを押した。=9日夕、有楽町 撮影:田中龍作=
きょう夕方、JR有楽町駅前の路上で男性が倒れているのを見かけた。歳の頃は60ぐらいだろか。
SNS上を駆け巡る海外からの映像で、コロナに感染した人が街頭で倒れガタガタ震えていたのを思い出す。「武漢ではコロナで亡くなった人の死体がゴロゴロしている」と香港の友人から聞かされたことがある。
田中は男性に声を掛けた。「オジサン、熱はないか?」
男性は「頭の中が物凄く痛いんだ。それに腹も」。息も絶え絶えに答えた。
反射的に「コロナ」の三文字が浮かんだ。
迷わず119番した。男性の症状と現在地を消防に告げた。
5分ほどで救急車が来た。救急隊員は「詳しいことは(救急車の)中で聞くからね」と言いながら、男性をストレッチャーに手際よく乗せた。
救急車はサイレン音を残して救急病院のある方角に走って行った。
「コロナかな?」と思われる症状で苦しんでいる一人暮らしの貴方。家族が高熱やノド・肺の痛みで もがいて いる貴方。
「保健所が構ってくれない」などと絶望する必要はない。
迷わず119番しよう。救急車は必ず来てくれる。

119番通報して、倒れた男性が搬送されるまで10分もかからなかった。=9日夕、有楽町 撮影:田中龍作=
~終わり~