田中「これマスクですか?」
業者「はい」
田中「アベさんのマスクですか?」
業者「そうです」
倉庫には「返品」の貼り紙がついた段ボール箱が山のように積まれてあった。場所は東海地方の水田地帯だ。
業者とはアベノマスクの製造業者でも発注元でもない。不良品だったため返品となったアベノマスクの検品を発注元に依頼された業者だ。
この業者によれば「数十万枚を10日間かけて検品した」。(数十万枚としたのは、具体的な数字を出すと、どの業者なのか、特定されるからだ)
中国で製造されたアベノマスクは、シミや汚れがあったりしたのが、3分の1もあったそうだ。
この業者が検品しただけでも10万枚は下らなかったことになる。検品した業者は何社もある。一体、どれ位の数が不良品なのか。
アベノマスクの不良品を回収した大手A社は、国内の縫製会社に布マスクの生産を発注した。その数30万枚(厳密には29万6,400枚)。
取材班が入手した、大手A社から縫製会社への指示書が、それを示している。
アベノマスクは少なくとも30万枚が再発注されたことになるのだ。
再発注の莫大な費用は、税金で賄われるのだろうか。
官邸の動向については正確無比のNHKによれば、菅官房長官は8日午後の記者会見で「5月中に(布マスクの)配布を完了させることを目標に取り組んでいる」と話した。
マスクは今や100円ショップで入手できる代物となった。供給が需要に追いついたのである。
私たちの血税を投じて、ウイルスの漏れ率100%のアベノマスクを再発注するとすれば、愚策という他ない。
~終わり~
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