「コロナを口実に改憲するな」。自粛要請で苦しい生活を強いられている市民たちが、憲法記念日のきょう、街頭で声をあげた。
「緊急事態に国家や国民はどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか。そのことを憲法にどう位置付けるかは、極めて重く大切な課題だ」-安倍首相がきょう開かれた日本会議の改憲集会に送ったビデオメッセージだ。
ショックドクトリン(惨事便乗)の極みである。コロナの感染拡大防止を憲法改正の口実にしようというのだから。
アベ首相をはじめとする改憲勢力の理屈はこうだ―
現行の非常事態宣言では強制力を伴わず、罰則もない。政府にもっと強い権限を与えれば、感染拡大を抑えることができる。そのためにも改憲して緊急事態条項(自民党改憲草案第98~99条)を適用すべき。
国民が政府や自治体の言うことを聞かないから感染が収まらない・・・朝から晩までテレビが報道する。
下地ができたところで世論調査の結果が出てくる。NHKによれば「改憲必要ある32%」「必要ない24%」だ。
共同通信の世論調査では、改憲し緊急事態条項を新設することに「51%が賛成」している。
マスコミを手先に使った危険な風潮に抗議の声をあげようという市民が夕方、新宿アルタ前に集まった。
デモに参加した男性(労働組合員40代)は憤りを隠せない—
「自粛で憲法集会も開けない。インターネットでは言い足りない。街頭に出て声をあげようと思った」
「アベ首相はコロナ対策でダラダラやってきたくせに、緊急事態条項がないからこうなった、と言ってる。許せない」。
都内在住の主婦(50代)も怒りを露わにした―
「自粛していないから感染が広がっているみたいに言うが、自宅でひっそりと亡くなっている人たちも多くいる。命も暮らしも守ってくれない」
「安倍政権は国民にとって最大のリスク。アベノウイルスは部屋にいてもかかってしまう」。
参加者は自粛の影響で人通りもまばらな新宿の街をデモ行進した。
「(安倍政権は)コロナ対策失敗のツケを回すな」
「不安を煽るな」
「命の選別をするな」・・・
デモ隊のシュプレヒコールが5月の空に響いた。
~終わり~
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