2,520億円にまで膨らんだ新国立競技場の建設費用。別名「森喜朗古墳」は何故こんなにまで高くなったのか?
その理由と経緯が明らかになった ―
経緯から話そう。「国立競技場将来構想有識者会議」なるものが2012年3月発足する。
新国立競技場の建設計画を話し合う会議だ。委員は石原都知事、森元首相、竹田JOC会長など総勢14人。国家プロジェクトとあって錚々たる顔ぶれが並ぶ。
ところが委員の中に異色の人材が1名交じっていた。作曲家の都倉俊一氏である。オリンピックとラグビーW杯の競技場計画に作曲家を絡ませたことに、企みが集約されていた。
同年7月、国立競技場将来構想有識者会議は2回目の会合を開き、計画を正式決定する。
諸悪の根源である「ドーム型開閉式(屋根付き)」はここで決まった。作曲家の都倉俊一氏が「開閉式ドームをぜひお願いします・・・コンサートその他のイベントでは音響が大切になる」と提案し、それが採用されたのである。
山本太郎議員が14日、参院内閣委員会・文教科学委員会連合審査会で追及した。
屋根付きとした理由について、文科省スポーツ・青少年局長の久保公人局長は「コンサートの遮音のため」とする旨の答弁をした。
JSC(日本スポーツ振興センター)の鬼沢佳弘理事は「コンサートの年間開催日数は12日間」と答えている。
わずか12日間のコンサートのためにドーム型開閉式(屋根付き)競技場になったのである。開閉式の屋根は建設費を高騰させた元凶である。
屋根付き競技場はラグビー場として相応しくない。日照と通風を妨げるため、芝生の養生には最悪なのである。
屋根付き競技場は芝生がすぐにはがれたりするため、ラガーマンたちから総スカンを食らっているのだ。
国立競技場将来構想有識者会議の最高実力者である森喜朗元首相は、ラガーマンだった。ラグビーを愛するはずの元首相が、なぜラグビーには相応しくない屋根付き競技場の建設を進めたのか?
ハコ物は建設費の5%が政治家へのキックバックとなる。これは検察、警察をまともに回ったことのある記者であれば半ば常識だ。
建設費用が高騰すれば高騰するほど、政治家は美味しいのである。
「森喜朗古墳」は国と東京都の財政を傾かせた負のレガシーとして永遠に残るのだろうか?
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