世界の恥となっている日本のヘイトスピーチが、きょう、全国各地で吹き荒れた。
在特会(在日特権を許さない市民の会)が、北海道から九州までの主要都市で、民族差別デモ集会を行ったのである。その名も「全国一斉・日韓断交アクション2014」と仰々しい。
全国11ヵ所の集会・デモで、彼らにとってシンボルとなったのは、六本木(港区)会場だ。港区には韓国大使館と民団(在日本大韓民国民団)の本部があるからだ。
公園に集結した彼らはトラメガのボリュームを一杯にあげてガナリ立てた―
「韓国軍が竹島に上陸した。日本がまともな国だったら、宣戦布告する。軍隊を出して竹島を取り戻すだろう・・・」
安倍政権に巣食うタカ派たちが膝を叩いて喜ぶようなセリフのオンパレードだ。
折しも週刊誌やネットでは、山谷えり子・国家公安委員長と在特会幹部らとの集合写真が話題となっている。取り締まる側(警察行政)のトップと取り締まられる側が蜜月関係にあるのではないかと批判を浴びているのだ。
麻布の民団本部前にさしかかるとデモ隊の興奮はピークに達した。「日韓、断交」「韓国、粉砕」…短絡的でストレートなシュプレヒコールが通りに響いた。
ヘイトスピーチをめぐっては国連の人種差別撤廃委員会が、日本政府に対して刑事訴追を伴った法規制を強く求めている。
だが日本政府は表現の自由との絡みもあって、ヘイトスピーチへの規制に腰が重い。そればかりか、自民党にはヘイト規制を国会周辺のデモ規制に利用しようとする勢力さえある。
安倍首相の選挙演説会場が旭日旗や日章旗で埋め尽くされる光景も見られるようになった。
右翼政党は異民族排斥で自らの支持基盤を固める。その一方でリベラル勢力の表現の自由を規制する。
世界の常識でもある国際協調の逆を堂々と行く在特会と政権がしっかり手を結んだ時、日本は「いつか来た道」まっしぐらとなる。