
ミサイルの着弾音が響いてもダワスさんは柔和な笑みを絶やさなかった。=24日、ベイト・ラフィーヤ 写真:筆者=
ガザ最北部はイスラエルとの国境沿いの町、ベイト・ラフィーヤ。イスラエル軍の猛爆撃を浴び、町はゴーストタウンとなっている。
爆弾が雨あられと降り注ぐ町に今なお留まっている人たちが、ごくまれにいる。ファルク・ダワスさん(64歳)一家だ。妻と8人の子供と暮らす。
イスラエル軍からは幾度も「この地区から出て行け」と警告された。警告後、間もなく爆撃があることは言うまでもない。ベイト・ラフィーヤの惨状を見れば明らかだ。

ダワスさん(中央)は筆者らを門の外まで見送ってくれた。着弾音に脅える5男アドナン君(9歳)の表情が忘れられない。=24日、ベイト・ラフィーヤ 写真:筆者=
イスラエル軍は携帯電話にアラビア語でかけてくる。「3日前にもかかってきた」。ダワスさんは平然と話す。
子どもたちは爆撃があるたびに驚いて飛び上る。食事を続けることができなくなる、という。
「警告が地区に対してのものなので避難しない。だがこの家に対して警告があれば避難する。子供がいるから」。ダワスさんは親心をのぞかせた。
「こんな危険な町からどうして出て行かないのか?」筆者は率直に聞いた。
「私はここで生まれた。ここで死ぬ」。ダワスさんは表情ひとつ変えないで淡々と話した。
「ドーン」「ドーン」。インタビュー中も途切れることなくミサイルの着弾音がした。
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