♪ドンドン・チキチキ♪「再稼働反対」♪ドンドン・チキチキ「再稼働反対」・・・和太鼓6基に横笛、鉦、三味線が奏でる勇壮なお囃子が、きょうの集会の幕を開けた。(主催:首都圏反原発連合)
福島第一原発からは汚染水が海に流れ続ける。格納容器に穴があいているのだから際限ない。全国各地の原発周辺住民の避難計画は、目を覆いたくなるほどズサンだ。
それでも安倍政権と原子力村は原発再稼働を急ぐ。地鳴りを思わせる和太鼓の音と血を吐くようなボーカリストの声には、人々の怒りが込められていた。
きょうの東京地方は33・1度と今年最高の暑さに見舞われた。身を焦がすような炎天下にもかかわらず、首相官邸前と国会議事堂前には大勢の市民が全国から集まった。
再稼働一番手と見られている九電・川内原発の地元からは「かごしま反原発連合有志」の小川みさ子さんが参加し、スピーチした。
「原子力規制委員会には火山の専門家はいません。桜島を抱える私たち地元住民は再稼働を許すことができません…(中略)避難計画が整っていないにもかかわらず、再稼働が進められている」。
桜島を含む姶良カルデラが噴火すれば火砕流が川内原発に達するものと見られている。2~3ヵ月まえに噴火を予知できたところで、使用済み核燃料をすべて取り出すのは不可能だ。川内原発は世界一恐ろしい原発とも言える。
原発銀座の福井からは、「大飯原発運転差し止め」の判決を勝ち取った原告団の 今大地はるみ さん(敦賀市議会議員)が駆けつけた。
今大地さんは法廷で意見陳述した際、関西電力に向かって「命と経済を天びんに懸けないで下さい」と怒鳴りつけたことで知られる。5月21日に出された福井地裁の判決に言及し、次のようにスピーチした―
「『(シビアアクシデントが)起こらないとは絶対に言えない』(と判決は述べた。)当たり前だ。こんな当たり前のことを誰も言ってくれなかった。これから私たちは声を上げて再稼動を許さない。基準地震動の偽装を許さない。立地自治体の住民は今でも、あの判決が出た後でもまだ声をあげられないでいる人が大勢いる」。
都内在住のある夫妻は福島の事故直前に生まれた子供を抱いて参加した。もう3歳になる。「あの時はよほど避難しようと思ったが、家族がバラバラになるので(東京に)残った」。妻は当時を振り返る。
彼女は「(国内の原発が)全部廃炉になるまで、抗議を続けるしかない」とも語った。
子を持つ母親で原発再稼働賛成の人が、どれほどいるのだろうか?それでも原子力村とそれに群がる政治家、マスコミは、世の多くの母親を敵に回し続ける。