カリスマ・シンガーのASKA(56歳)が覚せい剤所持の容疑で昨日(17日)、警察に逮捕された。早くもTVニュースは大騒ぎだ。「中高年に広がる覚せい剤」というミニ特集を組んだ局もある。
「ASKAの覚せい剤」は、去年あたりからちょくちょくマスコミに取り上げられていた。今頃になって何故? 逮捕のタイミングに官邸筋の作為を感じてならない。
警察庁は官邸に要のスタッフとして入っている。麻生政権では事務方のトップを警察庁出身者が務めていた。
大物芸能人の逮捕は「解釈改憲による集団的自衛権の行使容認」に批判が集中するのを避ける狙いだろうか。「集団的自衛権の行使」をめぐって、安倍政権はあさって(20日)から連立与党のパートナーである公明党との協議に入る。
慎重姿勢を崩さない公明党に世論が後押しすれば、安倍政権にとって不利となる。「ASKA逮捕」で公明党への追い風はいくらか弱まるだろう。
歌手の酒井法子が同じく覚せい剤所持で逮捕された時(09年8月)は、政権交代選挙の直前だった。どの世論調査を見ても自民党の大敗は避けられない情勢だった。TVニュースは寝ても覚めても「酒井法子」で持ち切りとなった。有権者の関心を政治と選挙から そらす には持ってこいだった。
覚せい剤事件は売買でイモヅル式になっているため、「下」を逮捕していても「上」に上がるまで発表しない。ある程度の区切りがついた段階で発表する。警察が発表のタイミングを好きなように調節できる事案なのだ。
ASKA容疑者が留置されている警視庁湾岸警察署前にはTV局の中継車が3台並んでいた。きょうは日曜日であるため比較的静かだったが、明日からはワイドショーの女性リポーターやスタッフで大賑わいだろう。B層はテレビ画面にくぎ付けとなる。
安倍首相の ほくそ笑む 顔が目に浮かぶ。