解釈改憲・反対集会 「戦争ができる国にしてはいけない」

年配者たちは非戦を訴える登壇者の話に真剣な表情で聞き入った。=8日午後7時頃、日比谷野音 写真:山本宏樹=

年配者たちは非戦を訴える登壇者の話に真剣な表情で聞き入った。=8日午後7時頃、日比谷野音 写真:山本宏樹=

 さすが若手弁護士たちが憲法の教科書を贈っただけのことはある。安倍首相は日本が立憲主義の国であることを知らないようだ。正当な手続きを踏み条文を変更したうえで、憲法を改正しようというのならともかく、解釈で憲法を変えてしまおうと言うのだから驚くほかない。

 驚きを通りこして恐怖さえ覚える。為政者が好き放題にできるのだから。危機感を抱く市民たちが今夜、都内で平和集会とデモを開いた。その名も「解釈で憲法9条を壊すな! 4・8大集会&デモ」(主催:同実行委員会)

 会場の日比谷野音は集会開始の夕方6時30分には満席となった。戯作者の松崎菊也さんがプレイベントを盛り上げた―

 「私、憲法を読んだことがありませんから、解釈はできません。介錯(かいしゃく)とは首を切ること。役人の首なら切れます」

 「大企業以外はほったらかして、安倍晋三のみがクスっと笑う。アベノミクス」。

 麻生太郎元首相もよくネタにされた。レベルが低い証拠だ。

 麻生サンや安倍サンと対極にあるノーベル文学賞受賞者の大江健三郎さんが登壇した―

 「広島、長崎、敗戦を経験して作ったのが新憲法だった。私たちが67年間守ってきた時代の精神を壊そうというのが今の政権です。一挙に破壊して新しい時代に入ろうとしている…」

 悲壮感さえ漂う大江さんのスピーチに場内は静まりかえった。日比谷の森の暗闇が、平和を訴えてやまないノーベル賞作家と市民を飲み込んでいるようにも見えた。時代は暗闇に向かおうとしているのだろうか。

「戦争ができる国にしたくない人たち」で日比谷野音は満席になった。=写真:山本宏樹=

「戦争ができる国にしたくない人たち」で日比谷野音は満席になった。=写真:山本宏樹=

 「次の世代を戦争の犠牲にしたくない」。会場は髪に白いものがまじる年配者が目立った。

 「国は戦争をするな。企業は武器を売るな」と手書きしたプラカードを持って参加した女性(都内・60代)は、今という時代を深く憂慮していた―

 「孫がもうすぐ生まれる。戦争ができる国にしてはいけない。かりに徴兵されなくても、派遣社員でトラックを運転していたら戦地だったということになりかねない」。

 アメリカでは貧困層が生活のためやむなく戦争に赴く。戦争ができる国にしたい安倍首相は、労働法制を緩和して貧困を作り出そうとしている。いつか来た道はアメリカに続いているようだ。危ない。

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