17日、5大労働組合が全国規模のストライキを打った。Disk「トルコ革命家労働者組合連合会」、kesk「公共事業労働者組合連合会」、TMMOB「トルコ技師・建築家組合連合会」、TTB「トルコ医師会同盟」、TDB「トルコ歯科医師会同盟」だ。
交通機関は動いており役所も業務をこなしたため、市民生活にただちに影響が出たわけではない。労働組合は今月4、5日にもストライキを打っており、これで2度目だ。
今回はストだけにとどまらなかった。反政府運動の象徴ともなっているタクシム広場に向かってデモをかけたのである。
Kesk(公共事業労働者組合連合会)を先頭にしたデモ隊は、イシクラテール通りからタクシム広場を目指した。他、諸々の団体も合流したため大人数となった。最後尾が見えない。1万人を超すだろうか。
さらに驚いたのが、これが無届デモだったということだ。組合幹部も制止できなくなったのだろう。エルドアン首相の辞任を求める労働者の怒りは熱い。
大河のようなデモの隊列は、しかし、広場から1キロ以上離れた場所で機動隊に制止された。「タイイップ・イシティファ=タイイップ(エルドアン首相)は辞めろ」。シュプレヒコールがストリートに響いた。
警察は機動隊200人、放水車2台を出して食い止めた。幸い衝突には至らなかった。
広場入口の近くでは市民グループ約100人がデモをかけた。25歳の若さで処刑されたジャーナリストの顔がプリントされた旗が一本あるだけ。組織的なものでないことがうかがえる。
隊列の後ろには若者たち約200人が自然発生的に集まった。こちらも「タイイップ(エルドアン首相)辞めろ」のシュプレヒコールをあげた。
イシクラテール通りは日本の銀座通りにあたる。そこで無届けの大規模デモや自然発生的な小規模デモが発生しているのである。
時を同じくして別の労働組合がタクシム広場北側から大規模デモをかけている。警察が力で抑えても、エルドアン首相の辞任を求める人々は次から次へと湧いてくるのだ。夏の入道雲のように。
ビュレント・アリンチュ副首相はこの日、国営テレビで「必要とあれば軍の投入もある」と明らかにした。反政府勢力への威嚇を込めているのだろう。
エルドアン政権の思惑で最高幹部までが逮捕されている軍が、簡単に動くとは考えにくい。軍を出動させるようなことにでもなれば、火に油を注ぐことになるだろう。
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