警察は日本時間の16日午前3時、反政府デモの拠点であるゲジ公園を急襲した。エルドアン首相退陣を求めるタクシム・プラットホームと政権の交渉が決裂してわずか7時間後のことだった。
追い立てられたオキュパイの人々は公園北側の大型ホテルの前庭で抵抗を続けた。警察はそこに猛烈な放水を浴びせる。人々はホテルのロビーに逃げ込んだ。
人々がロビーの外に出て抵抗を始めると警察は放水を浴びせる。ホテルの前庭には放水の水に含まれている催涙性ガスが立ち込めた。警察は断続的に放水を繰り返していたが、ほどなくするとホテルの玄関に催涙弾を撃ち込んだ。
これに先立ち、警察はロビー内に踏み込もうとして玄関のドアガラスを蹴破っていた。催涙ガスはロビーに流れ込んだ。催涙ガスは屋外で浴びても、目とノドが痛くなり吐き気を催す。それを屋内で浴びるのである。ロビーからは悲鳴が聞こえた。
催涙ガスにやられた人が次から次へと救急車に運び込まれていく。救急車はけたたましいサイレン音と共にひっきりなしにホテル前に駆け込んだ。
地元メディアによると、相当数の市民がアジア側から援軍に駆けつけようとしたが、ボスポラス海峡大橋のたもとで警察に阻止されたもようだ。
公園西側では援軍の市民と機動隊が激しい攻防を繰り広げた。警察は通りの奥深くまで市民を追い込む。放水を浴びせ催涙弾を放つため、通りにはガスが立ち込めている。筆者が投宿するホテルの部屋にも催涙ガスが容赦なく流れ込んでくる。
警察が催涙弾と放水でゲジ公園とタクシム広場から人々を排除しても、彼らと援軍は市街地で警察と戦う。エルドアン政権による力づくの対応は“戦域”をむやみに広げただけだ。混乱が長引けばトルコの庶民が苦しむことになる。
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関西の篤志家S様と読者の皆様のご支援により、トルコ取材に来ております