
シノップの人々はお揃いの緑のベストを着て、反政府デモに沸くタクシム広場に現れた。=日本時間9日未明、イスタンブール 写真:田中龍作=
トルコと原子力協定を結んだ日本は、いつでも原発輸出OKの態勢に入っている。先月3日の安倍首相のトルコ訪問で、仏アレバ社と企業連合を組んだ三菱重工は排他的交渉権を得た。
官民一体となった日本が原発を持ち込みたがっているのは、黒海沿岸の漁師町シノップだ。
エルドアン首相の辞任を求める人々がオキュパイを続けるタクシム広場に8日夕(日本時間9日未明)、シノップの住民たちが乗り込んだ。
参加者の一人は持参した写真パネルを筆者に見せ、「原発が作られようとしているのはここ(岬の西側)だ」と示した。どこまでも青い空と海。石造りの白い家屋が並ぶ。絵に描いたような風光明媚な海辺の街だ。
リーダーの一人は「フクシマ知っている。エルドアン首相の原発政策に反対してデモに参加した」。筆者が日本人ジャーナリストと知ると、通訳も聞き取れないほどのスピードで一気にまくしたてた。相当に興奮している様子がうかがえた。
13日にも筆者は現地シノップに行く予定だ。

日本の原発が持ち込まれようとしているシノップの写真パネルも登場。どう見ても不気味な巨大湯沸かし器とは不釣り合いな海辺の街だ。=タクシム広場 写真:田中龍作=
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関西の篤志家S様ならびに読者の皆様のご支援により、トルコ取材に来ております。