原発廃炉を求める市民たちがきょう、全国(沖縄のぞく)9電力会社の東京支社(東電は本店)を巡り「再稼働するな」と訴えた。主催したのは毎月曜、関電東京支社で再稼働に抗議する集会を開いている「月曜定例会」。
自民党の政権復帰で再稼働に向けて勢いづく電力会社に自制を促すのが狙いだ。主催者の一人は「福島をあのままにしておいて再稼働なんてとんでもない」と憤る。
参加者たちは四国電力を皮切りに北海道電力→中国電力→東北電力→九州電力→東京電力→関西電力→中部電力→北陸電力の順で抗議して回った。各社とも経産省にほど近い。
地震帯の日本列島上に乗っかっている原発はいずれも危険だ。とはいえ、その土地ならではの事情がある。参加者はそこを突きながら「再稼働反対」のアピールをした。
中国電力前:(20代男性・会社員)
「経済活動のためだからといって原発で(上関・祝島の)海を汚していいということにはならない。高杉晋作も怒っているぞ」。
北海道電力前:(48歳男性・会社員)
「北海道は日本の食糧基地。原発は一度事故を起こすと何百年も何千年も大地をけがす。原発なんて要らない」。
四国電力前:(40代女性・都内在住)
「近くを中央構造線が走る伊方原発は危険。すぐ廃炉にして下さい」。
昨年末、モジモジ先生こと下地真樹・阪南大学准教授が大阪駅前で「脱原発」のアピールをし、その後駅構内を歩いた。それだけで威力業務妨害で警察に逮捕されている。参加者たちはこの教訓を活かし、電力会社が入るビルの敷地には足を踏み入れないようにして抗議活動を繰り広げた。集合場所は東京駅丸の内北口だったが、JR構内から一歩外れた歩道上で待ち合わせた。