年の瀬に東電勝俣会長宅近くの公園でハンストを断行した右翼青年の山口祐二郎さん(26歳)が、27日夜から首相官邸近くで大飯原発の再稼働に反対するハンストに入った。官邸前で決行するつもりだったが、警察官の強引な説得に会い議員会館前などに移動しなくてはならない。
27日午後8時58分、山口青年が首相官邸前につくと制服・私服計10人余りの警察官に取り囲まれた。勝俣邸前と同じ光景だ。
「議員会館の方に行ってくれないかなあ?」。制服警察官が柔らかい言葉使いの中にも強引さを込めて、山口さんに告げた。これまた勝俣邸前と同じだ。
官邸前でハンスト決行する理由を山口さんに聞いた。「再稼働が我慢ならないんですよ」と率直な答えが返ってきた。「政府は“安全だ”と言ってるが、それはあり得ない。政治家の発言がコロコロ変わる。そんなことより補償をちゃんとしろよ」。
『何より住民への補償が大事だ』という右翼青年の考えは、勝俣邸の時からブレていない。作務衣姿にボストンバックひとつで最高権力者の邸の前に立つ。
前回は救急車が駆けつけるほど体力を消耗した。今回も水一滴飲まない。これまで無鉄砲をしてきた山口さんだが、健康を気遣う人が現れた。今月上旬、良き伴侶を得たのだ。ハンスト計画を知った18歳の若き妻は怒って止めた、という。
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