関西電力大飯原発3~4号機のストレステストをめぐって原子力・安全保安院が専門家からの意見を聴く会議が18日開かれたが、市民の傍聴を排除しようとしたことから一時紛糾した。
会議は別室で開かれ、原発再稼働に慎重な専門家の出席もなく推進派だけで粛々と進んだ。推進派のうち3人の専門家委員は原発メーカーから多額の献金を受けていることが明らかになっている。再稼働を認めるためにあるような会議なのである。イカサマと言わずに何といおう。
昨年8月北海道電力泊原発の再稼働を認めた原子力安全委員会のデジャビュを見る思いだった。保安院は関西電力から提出されたデータをお経のように読みあげた。結論は「関西電力のシビア・アクシデント対策は有効」だ。
傍聴者もいなく、メディアも記者クラブがほとんど、フリーは筆者を含めほんの数えるほどだ。専門家委員の一人で原子炉の設計技師だった後藤政志さんは、一貫して原発再稼働に否定的だ。後藤さんら2人の専門家委員は「会議の透明性が担保されていない」として別室での“秘密会議”をボイコットした。
会議が推進派だけで粛々と進むのは道理だ。後藤さんら慎重派が出席したとしても議事進行を理由に、慎重派の意見はまともに取り上げられない。こうした現実を公にするためにも、後藤さんは「傍聴者を入れるよう」求めて譲らないのである。
経産省は警察官だらけだった。ロビーには制服が、会議の会場階には私服がべったりと貼りついた。エレベーターには制服と私服の両方がいる。ものものしい警備ぶりだ。警察に守られなければ開けない会議にどれだけの意味があるというのか。