【カイロ蜂起・第2幕】エジプト民主化 行く末決める軍の動向

ムバラク大統領に代わってタンタウィ軍最高評議会議長が首吊り人形になった。=24日(現地時間)、タハリール広場。写真:筆者撮影=

ムバラク大統領に代わってタンタウィ軍最高評議会議長が首吊り人形になった。=24日(現地時間)、タハリール広場。写真:筆者撮影=

 救急車がサイレンを鳴らしてけたたましく走り、負傷者が野戦病院に運び込まれる。広大なタハリール広場を埋め尽くす人の波も熱気も前回(今年1月~2月)の市民革命とほとんど同じだ。

 違うのはスローガンだ。「ムバラク(大統領)去れ」が「タンタウィ(軍トップ)はノー」に変わったことだ。この違いはあまりにも大きい。前回の市民革命では、軍は静観を決め込んだ。連日1万人を超える民衆が打倒ムバラクを叫んで、タハリール広場を占拠したが、軍は一切、手出ししなかった。

 軍は腐敗しきったムバラク政権を見限っていたのである。占拠から18日目、民衆はムバラク大統領を辞任に追い込んだ。軍が無言の“援護射撃”をしたおかげとも言える。

 30年にも及ぶ独裁政権を民衆の力で打倒したことは「アラブの春」と持て囃された。全米に広がる「Occupy行動」は、アラブの春に影響を受けたものである。

 だが、お膝元では春風はほんの上っ面を撫でただけだった。人々を締め付ける大本である軍の特権は維持されたままだった。

 タハリール広場を埋める民衆蜂起第2幕は、軍に特権の放棄を迫るものだ。エジプト最大の産業である軍が特権を捨てて、果たして自らを維持できるのか。

 とはいえ軍の動向がエジプト民主化の行く末を決めることになる。28日から始める議会選挙をはさんだ、ここ1週間がヤマ場となるだろう。

警察の催涙ガスを浴びて呼吸ができなくなり、野戦病院に運び込まれた少年。=同日、タハリール広場。写真:筆者撮影=

警察の催涙ガスを浴びて呼吸ができなくなり、野戦病院に運び込まれた少年。=同日、タハリール広場。写真:筆者撮影=

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