菅VS小沢 オープン度は「どっちもドッチ」

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民主党の記者会見場(党本部=永田町=写真:筆者撮影)

 菅氏本人と陣営が二言目には「クリーンでオープンな政治」と言う。クリーンはともかく、「オープン」については首を傾げる。菅内閣発足以来、鳩山前政権が約束した記者会見のフルオープン化はほとんど進んでいないのである。フリーやネットの記者は会見に出席するのにも制限があったり、出席できても質問できなかったりする。
 菅氏自身、首相就任の記者会見(6月8日、官邸)でフルオープン化に否定的な見解を述べている。フリージャーナリストの上杉隆氏の質問に対して菅氏は「回数が多ければいいとか、いつでも受けられるとか、そういうことが必ずしも開かれたということにはならない…」と答えたのである。
 筆者もその記者会見に出席していたが、愕然としたことを記憶している。首相が号令をかければ、各省の記者会見はフルオープンになるのである。フリーやネットの記者が大臣に自由に質問できるようになる。官僚、政治家、記者クラブによる「談合」は難しくなるだろう。談合がなくなれば、国民の利益になる情報が出てくるようになるはずだ。
 今回の民主党代表選挙で記者クラブメディア(新聞・テレビ)は、あからさまに菅氏を持ち上げ、小沢氏を叩く。記者会見をフルオープン化しなかったことは、新聞・テレビを使って世論に訴える菅陣営の選挙戦略上、効を奏しているのである。
 一方の小沢氏は記者会見のフルオープン化を先頭に立って進めてきた。とは言え、結構あざとい面もある。幹事長時代の記者会見で司会役を務めるのは副幹事長たちだった。細野豪志副幹事長などは、会見に出席する記者の集合写真を持っていて、番記者がどこに座っているのか把握していた。番記者は担当する政治家に厳しい質問はしない。
 細野氏は集合写真を会見が始まる直前までまじまじと見つめていた。そしてよく暗記していた。驚いたのは後ろを振り向きざまに「ハイ、そこの方」と指名するのである。指の先にいるのは親小沢の記者である。細野氏の「アクロバット指名」は、今だに笑いのネタになっている。小沢グループはこうして親方(小沢氏)に不利にならないよう記者会見を運営していたのである。
 ちなみに菅氏の記者会見も代表代行時代から同様の「仕込み」が入っている。記者会見で司会進行を務めてきたのは菅グループの政治家で、小沢グループ同様自らに都合のいいように誘導してきた。菅さんが「オープンな政治」などと口走る度、可笑しくて仕方がないのはこのこともある。小沢氏、菅氏のオープン度は「どっちもどっち」と言ったところだ。
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