民主党代表選挙をめぐる新聞・テレビの世論調査が、ネットや国民の生の声と乖離していることを拙稿で繰り返し指摘してきたが、今朝(6日)の朝日新聞には我が目を疑った。「政策面でも小沢氏が劣る」というのである。
4日、新宿西口で行われた街頭演説会での聴衆の反応を朝日新聞はどう受け止めているのだろうか。小沢前幹事長が政策を語ると節目、節目で大きな拍手が起きた。菅首相の場合、得意の「皆さん、どうでしょうかあ~」で呼びかけても、拍手はまばらだ。
会場で聴衆に「どちらの政策が優れているか?」を聞いたら「菅さん」と答えた人は一人もいなかった。ある女性(50代・北海道在住)は「どちらを支持するか随分迷ったが、テレビ番組で2人の(政策)討論を聞いて小沢さん支持になった」と言うのだ。この女性は小沢陣営の動員ではない。
筆者は小沢氏の政策を支持するものではない。だが、菅氏のものより上等だ。具体的で体系立っている。菅氏は何一つ具体的な政策を語らないし、話があっち飛びこっち飛びする。体系性を著しく欠くのである。
菅氏の最重点政策である『雇用』について派遣ユニオンの関根秀一郎・書記長は次のように酷評する――
「『雇用』という言葉だけでは何にもならない。菅さんは『雇用を増やす』と言うが質の悪い雇用だったら作らない方が良い。質の悪い雇用は質の良い雇用に取って代るからだ」。
かつて直接雇用だった自動車工場の期間工は悪質な派遣労働に置き換えられた。それがどのような惨禍をもたらしたかは、一昨年、大量の派遣労働者が職と住居を同時に失った「派遣切り」が雄弁に物語る。
小沢氏の政策は「非正規労働者の割合を法律で規制する必要がある」とする。これについて関根書記長は「本当にそれができるのであれば、理想的なこと」と評価する。
聴衆は小沢氏に軍配をあげ、雇用問題の当事者は菅氏の政策に疑念を抱く。政策のエキスパートである財務官僚出身の議員は菅氏支持でありながら「政策では小沢さんの方が菅さんより数十倍も上」と舌を巻く。
これでも朝日新聞の世論調査によれば、政策面でも菅氏が上回っているのである。もしや朝日新聞は、宇宙人に質問しているのではないだろうか。
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