民主党政権10ヶ月の実績に審判を下す参院選の投票日まであと一週間。鳩山前首相を退陣に追い込んだ沖縄基地問題について、社民党と共産党以外の政党は全くと言ってよいほど触れない。
基地問題は民主党にとってはまだ「生傷」の状態であるし、半世紀にわたって政権を担ってきた自民党は米軍と共に問題を作った張本人だ。両党が頬被りしたがるのも分からないではない。
選挙サンデーの4日、日本最多の乗降客を抱えるJR新宿駅の西口で自民党の谷垣禎一総裁と候補者らが有権者に支持を訴えた。候補者らは景気回復を中心に経済政策を語り、、沖縄の「オ」、基地の「キ」も口にしなかった。
谷垣総裁は民主党への批判として「鳩山政権が崩壊したのは『政治とカネ』でも『普天間』でもない。マニフェスト破りなんですよ」と述べるに留まった。『普天間』問題の内容には一切踏み込まないのだ。
線路を挟んだ東口を覗くと様相が一変した。黄色のTシャツに身を包んだ平和活動家らがプラカードを手に集まった。『沖縄に基地を押し付けるな・新宿ど真ん中デモ』の参加者たちだ。
黄色は「米軍基地にノー」を示す色で、普天間基地の県内移設に反対する沖縄県民大会(4月25日)では黄色が会場を埋め尽くした。新聞・テレビは鳩山首相が退陣するまで沖縄基地問題を連日大きく伝えた。
あれからわずか1ヶ月余り。沖縄基地問題はすっかり鳴りを潜めた。正確に言えば、メディアが報道しなくなった。
『新宿ど真ん中デモ』実行委の一人、園良太さん(29歳)は憤る――「鳩山前首相が退陣してからこの一ヶ月間、(沖縄基地問題の)忘却はひど過ぎる。投票前に集会とデモを行うのは、街の人々にも政権にも忘れてもらいたくないから」。
30年ほど前「原発を新宿に」という運動があった。米国のスリーマイル島で起きた原発の放射能漏れ事故を自分たちの問題として捉えようという発想だった。
参院選は、菅総理が自民党に便乗する形で持ち出してきた「消費税増税」構想をめぐって騒々しい。沖縄基地問題は見事にかき消された。前出の園さんが言うように、選挙中だからこそ声を大にして問いたい。
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