第2次補正予算案に盛り込む追加経済対策の金額をめぐって渋る財政当局と民主党に大幅な上積みを飲ませた国民新党の亀井静香代表。補正予算案が閣議決定された翌日も意気軒昂だった。
9日、国民新党本部で開かれた両院議員総会は、平成22年度予算、いわゆる本予算編成に向けての決起集会の様相を帯びた。
亀井代表は「予算編成は財務省との戦い」として財務省批判をフルスロットルで展開した――
「財務省はソロバン勘定ばかりをやっている。財務省のクビキからどう脱出するかということを考えなければ、この国は救われない。財務省は経理係。経理係の言うなりに鳩山政権が事業展開して行くわけにはいかない」。「環境、雇用、中小企業に利く予算編成。これに向かって全力で頑張る。財源は後からついて来る」。
財務省のタガである「国債発行額44兆円以下」を堅持するか?と記者団に問われたが、頓着していない様子だった。
ヒートアップした亀井代表は「民主党、社民党がやれないのであれば、国民新党が財務省の牢固な岩盤をブチ破る削岩機になる」「国民新党は鳩山政権の憎まれ役を買って出る」と“宣言”した。
財務省の次にヤリ玉に上げのはマスコミだった。亀井代表は大手新聞社の社説が「財政規律を守れ」とする一方で「景気対策を」としているのが、容認できないということだった。
「財政規律と景気対策は二律相反だ。マスコミは分裂症だ」「国民新党が建設国債を発行させたから国がひっくり返る、というような書き方をしている。断じて看過できない」として論説委員との意見交換の場を求めた。
前日、亀井氏が菅直人副総理と怒鳴り合いの大喧嘩をしたことはテレビのワイドショーや夕刊紙を賑わしている。これについて聞かれると「(菅副総理を)たしなめただけ」とヤンチャ坊主のような笑みを浮かべた。
国民新党が持論を主張すればする程「小党が民主党をかき回している。しっぽが胴体を振っている」などとする批判が噴出する。だが、こうした批判に動じる風もない。「カエルの面に小便でいいんだ」と受け流した。
亀井氏は1994年、村山富市委員長率いる社会党を抱き込み、「自社さ連立」で自民党を政権に復帰させた実績を持つ。「自自公連立政権」の際は自民党の政調会長をつとめた。連立の裏も表も知る男だ。暴れ具合も計算づくである。
「連立政権はどこがリーダーシップを取るかではない。よく話合いをすること」「大きな党が小さな党の言うことをよく聞く事」。亀井氏は連立維持の極意を語った。
「村山社会党」を非自民連立政権から引き離し、小沢氏を野に下らせた亀井氏が今、小沢氏と手を組む。好むと好まざるにかかわらず、来年夏までは手だれの二人から目が離せない。
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