新型インフルエンザ 選挙への影響は…

 蔓延する気配さえ見せる「新型インフルエンザ」が全国の地方選挙に影響を及ぼしている。衆院解散が早まれば総選挙にも響きそうだ。
 新聞報道によれば、公明党本部は東京都議選の立候補予定者に支援者との握手を自粛するよう支持した。感染者が多い関西地方の県議会議員選挙では、有権者に握手を断られる候補者もいる、という。
 選挙戦に欠くことのできない握手だが、官僚出身の候補は握手がヘタだ。頭も下げず、有権者の目も見ない。国民の方を向いた政治をしてくれるのだろうか、と疑いたくもなる。「入れて(投票して)もいいかな」と考えていた有権者の何パーセントかは、こんな握手をされたら投票しなくなるだろう。
 ある年の国政選挙で通産省出身の候補者が、上記を絵に描いたような握手をしていたので、筆者は同じ党の政治家に「あんな握手をしていたら有権者は離れるよ」と忠告した。「そうだね。すぐ言っとく」。官僚出身ではないその政治家が伝えてくれ、件の候補者は次の街頭演説から頭を下げ有権者の目を見るようになった。
 この候補者の場合、たまたまお節介なジャーナリストが忠告したため改善されたが、官僚出身候補のほとんどは握手の重要さを理解していない。
 接触感染を警戒し、いずれの候補者も握手を控えるようになったら、握手がヘタな官僚候補はその分だけ有利になるだろう。
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インフルエンザが蔓延すれば政治家と有権者のフェース・トゥー・フェースもなくなる(2007年参院選での安倍首相・当時。筆者撮影)

 飛まつ感染を恐れ集会を取りやめるケースが続出することも予想される。そのうえ投票日がインフルエンザ蔓延期と重なったら、多くの有権者は投票所に行くのを敬遠するようになるだろう。「世の中、選挙どころではない」という風潮さえ出てくることも予想される。
 こうして投票率が歴史的に低くなれば、強固な組織票を持つ公明党は有利だ。公明党の選挙協力を受ける自民党も同様だ。自民党の古賀誠・選挙対策本部長が「投票率は低いほうがよい」と述べたというが、連立与党にとっては正しく本音だ。政権の座を明け渡す必要もなくなる。
 福田電撃辞任を受けて発足した麻生政権は昨年秋に解散総選挙をするはずだった。自・公は下野確実だった。だが米国発の金融危機を受け景気対策を口実に解散の先延ばしを続けた。そうこうしている内に「西松事件」を“発掘”し民主党の勢いを削いだ。
 新型インフルエンザまでを味方につけるようなことにでもなれば、麻生さんは稀に見る強運の持ち主ということになる。

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