IRカジノは横浜でなく東京に誘致されそうだ。江東区青海にカジノとホテルを、築地にコンベンションセンターなどを持ってくる・・・これが目下の有力案だ。
青海はレインボーブリッジを くぐらず にすむため大型クルージング船が接岸でき、大量の観光客を呼び込める。
築地は銀座の隣。官庁街やビジネス街に近いことからコンベンションセンターにはうってつけだ。
東京が優位に立つ理由は、交通のアクセス、人口の多さ、経済力だ。
要は横浜より東京の方がカネが落ちるということだ。IRカジノは所詮カネなのである。
官邸と小池百合子都知事との間で、話はできているようだ。小池都知事にカジノを引き受けてもらうかわりに、来年7月の都知事選挙には自民党の候補を立てない、という取引だ。
安倍首相が二階幹事長に「小池さんに勝てる候補はいない」と話していたことが19日、リークされた。二階幹事長は選挙の最高責任者。これが何よりの証拠である。
小池知事は林文子・横浜市長にならって、「カジノは白紙です」と言って都知事選を戦うだろう。そして再選された後で「カジノ誘致」を明かす。その時、青海と築地ではすでに準備が着々と進んでいる、といった具合だ。
小池知事に先駆けて林市長がIRカジノ誘致をぶち上げた横浜ではきょう、カジノに反対する市民集会が開かれた。集会の場所は山下公園。それもIRカジノ建設予定地となる山下ふ頭のすぐ傍だ。
青葉区在住の主婦がスピーチした。「子供には学校給食もない。依存症対策に税金を使うのではなく市民の幸せのために使ってほしい」「ほしいのはカジノではなく学校給食とシニアバスです」。
港湾労働者の訴えは痛切だった。「ここにカジノができたら、貧乏人からカネを巻き上げて、(自ら)働くことのない金持ちが湯水のごとく使う」「港湾労働者が汗を流して働いて作ってきた横浜をカジノなんかに売り渡してはいけない」。
横浜市民の苦しみと不安を、来秋から東京都民が味わうようなことになってはならない。
小池知事は隠すだろうから都民有志の手でカジノを都知事選の争点とすべきだ。
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