武力に勝る警察すなわち国家権力は局所、局所では勝つ。だが大局的に見れば、中国共産党は負けているのではないだろうか。
6日日曜、緊急法発動後、初の本格的なデモがあった。
機動隊がデモ隊めがけて雨あられのごとく催涙弾を撃ち込んだ。デモ隊は退却する。無傷だ。田中が視認する限り逮捕者はいない。
反政府デモが激化するようになって香港の経済はガタ落ちだ。
政府はデモの鎮静化を図るために緊急法を発動したが裏目に出た。第一弾は覆面禁止法だった。
だが、数十万人がマスクを着用して政府庁舎にデモをかけたのである。デモは激化しこそすれ鎮静化のきざしはない。
仮に中国が香港を潰して、深圳や上海を金融センターにしようとしても、世界第3位の香港ほどにはならない。
政権に都合のよい情報しか出ない所に、世界は金を投資したりしないからだ。
デモ隊を支持する政府職員が興味深いことを話していた。「貿易摩擦などで中国は米国に対して劣勢に立つ。今が香港の地位を確立するチャンスだ」と。
中国は国慶節70周年式典で古臭い個人崇拝と共産党への忠誠を見せつけた。
いっぽう、香港市民は強権的なデモ弾圧の映像をネット配信し続けている。さてどちらが世界に共感を呼ぶだろうか。
「中国は信用ならない」と世界が思い直すようになれば、香港市民の勝ちなのである。
~終わり~
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読者の皆様。香港情勢が重大な局面を迎えました。自民党改憲草案の「緊急事態条項」にあたる「緊急法」の発動です。
今後の日本のためにも取材し、お伝えしなければなりません。長逗留で滞在費がかさんでおります。ご支援何とぞ宜しくお願い申し上げます。
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