都合の悪いものは、あったことも、なかったことにする。安倍政権の流儀なのだろうが、それにしてもここまで来ると「殿ご乱心」としか言いようがない。
「年金だけだと月5万円足りなくなるから2千万円貯金しなさい」-金融庁金融審議会から出された報告書だが、麻生財務大臣がこの報告書の受け取りを拒否していることが分かった。
きょう11日開かれた政府ヒアリングで野党議員が追及し、金融庁が事実を認めた。(麻生大臣の問題発言は閣議後の記者会見で飛び出したらしいのだが、記者クラブ員でない田中は出席していない)
そもそも金融審議会は麻生大臣の諮問機関である。報告書は大臣が委嘱した21人の委員たちが、3年がかりで20数回にわたって議論を積み重ねてきた結果、出てきたものだ。
金融庁の事務方は、報告書になる直前の最終報告書案を大臣にブリーフィングしていた。こうした事実も金融庁が認めた。
老後の虎の子である年金は、アベノミクスで株につぎ込まれ巨額の損失を出している。
今年は5年に一度の「(年金)財政検証」が報告される年だ。前回2014年は6月3日に出た。厚労省によれば「データは揃っているが検証中」とのことだ。
予想以上に年金財政はガタガタになっているのだろう。良ければ厚労省がデータを出すはずだ。
参院選挙(衆参同日の可能性も)が終わるまで、安倍政権に都合の悪いものにはフタをする。選挙後、データが出てきたとしても改竄を疑った方がいい。
~終わり~
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