
警察は騎馬隊も繰り出した。馬で追われたらまず逃げ切れない。特別な威圧感があった。=15日、オペラ座前 撮影:田中龍作=
「3千人以上」。これはマクロン大統領の辞任を求めるデモに参加して、警察に身柄を拘束された人の数である。
「あなた達の怒りや不満はよく分かった」。10日、テレビ演説したマクロン大統領だったが、不満分子3千人以上を投獄しているのである。
機動隊の投げる手りゅう弾で手首を飛ばされ、催涙弾のキャニスターを頭に受けて死亡する・・・警察がこれまで取ってきた警備手法は、明らかに参加者への弾圧である。
15日にあった第5波のデモは、労働組合、市民団体も加わって戦線が拡大したが、混乱は小規模だった。警察が徹底的に封じ込めたのである。
デモ隊の主な集合場所は「シャンゼリゼ通り」「オペラ座前」「サンラザール駅前」「共和国広場」などだった。警察はデモ隊が集合場所から出られないように全ての脇道を塞いだ。警察車両と機動隊で蟻の這い出る隙間さえなかった。
袋のねずみ状態にしておいて「はい、ここでいくらでも暴れて下さい」という訳だ。オペラ座の前に装甲車と騎馬隊が配備された光景は、異様という他なかった。

「ここには座るな」。警察はデモ参加者を追いやろうとした。=15日、オペラ座前 撮影:田中龍作=
右手で握手しておきながら、左手で思い切り殴る。「沖縄に寄り添う」と言った舌の根の乾かぬうちに、辺野古に土砂を投入するのが安倍首相だ。マクロンと安倍。オツムの出来は天と地ほど違うが、冷酷に人を欺く やり口 はよく似ている。
2人の類似点は、誰が聞いても分かるウソを平気で言うことだ。8日夜のテレビ演説でマクロン大統領は「最低賃金を100ユーロ(1万2,800円)上げる」と述べたが、これが全くの口から出まかせ。
この日の昼にベニコー労働相が「今の財源では最低賃金を上げることはできない」とテレビ番組のインタビューで答えているのである。
息を吐くようにウソをつく安倍首相のことを、ここであらためて言う必要はないだろう。
夫婦揃って国民から目の敵にされるマクロンと安倍。2人は騙しの政治手法までそっくりだった。

「国を壊しているのはオマエたちだ」と警察に詰め寄る女性。手にしたプラカードには「高速道路の民営化反対」「富裕税の復活を」などと書いてあった。=15日、サンラザール駅前 撮影:田中龍作=
~終わり~
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生活に困窮する庶民から これでもか というほど搾り取り、富裕層は減税し優遇する。フランスで庶民が苦しむさまは日本と同じです。
しかし、マスコミはその視点からは伝えません。田中はクレジットカードをこすりまくってパリまで来ました。大借金です。ご支援何とぞ宜しくお願い致します… https://tanakaryusaku.jp/donation
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