マクロン大統領の辞任を求める全国一斉蜂起は15日、第5波が予定されているが、戦線が拡大しそうだ。
フランス最大の労組である労働総同盟CGTはじめ公務員労組FSUなど4団体と学生組織UNEF(日本の全学連にあたる)が14日、黄色いベスト運動に呼応して14日、パリ市内でデモをした。
4団体のほとんどは翌15日の第5波蜂起に合流する。市民団体も加わるようだ。
約2万人の労働者と学生がシュプレヒコールをあげながら平和裡に行進した。
「ゼネストへ」と書いたワッペンを胸につけて歩く組合員たちもいた。
「マクロンと財界は社会的戦争を始めた」と染め抜かれた横断幕も翻る。
「パド ミェット オン ブ ラ バケット=我々はパンくずではなくてパンが欲しい」。労働者たちは太鼓を鳴らしながら叫んだ。
悲愴なシュプレヒコールには背景がある―
マクロン大統領は10日、テレビ演説で「最低賃金を100ユーロ(1万2,800円)上げる」と提案した。
フランスの最低賃金は1,100ユーロ(14万1,240円)。これから税金、社会保障費などが差し引かれる。家賃と光熱費を払うと、満足に食べることもできない。
それが1万2,800円増えても、焼け石に水に過ぎない。「黄色いベスト」はマクロン提案を「パンくず」と言って相手にしなかった。当然である。
デモの労働者が叫んだ「‘パンくず’ではなくて‘パン’を」とは、こういう意味なのだ。
フランス革命時、マリーアントワネットは「パンがなければケーキを食べれば良いではないか」と能天気に言い放ったとされる。
8日にあった第4波蜂起で参加者たちはエリゼ宮に押し寄せようとした。ある労働者は「ブリジッド(マクロン大統領の妻)よ。食事の準備をしてくれ」と唸るように言った。
自分たちから収奪した富で、大統領夫妻が豪華な食事に舌鼓を打っていることを、労働者たちは知り抜いているのだ。
庶民が満足に食べられるようにするには、社会のシステムを変えるしかない。食うに困る労働者たちが「パンをよこせ」と立ち上がった。失う物は何もない。
フランスは革命前・前夜の様相を帯びてきた。
~終わり~
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生活に困窮する庶民から これでもか というほど搾り取り、富裕層は減税し優遇する。フランスで庶民が苦しむさまは日本と同じです。
しかし、マスコミはその視点からは伝えません。田中はクレジットカードをこすりまくってパリまで来ました。大借金です。ご支援何とぞ宜しくお願い致します… https://tanakaryusaku.jp/donation
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