法務省が国会に提出した「技能実習生の失踪調査」が改竄であったことを、新聞各紙(朝・毎・読・東京)が17日朝刊1面トップで報じた。『田中龍作ジャーナル』から遅れること2日である。産経、日経は1面に載せなかった。
不思議でならない。「改竄の物的証拠」は15日の5野党合同による法務省ヒアリングで出ていたのだ。マスコミ各社は、法務省が翌16日の衆院法務委員会理事懇で誤りを認めたことを受けて、やっと記事にした。
原票である聴き取り調査には「より高い賃金を求めて」などという項目はない。「低賃金」となっているのである。原票は国会には提出されていないのだ。
「ザ・改竄」と言ってよいような“調査結果”も国会に提出されていた。
聴き取り調査(原票)では、「(賃金などの労働条件が)入国前の説明と同じか、異なるか」となっているのだが、国会提出資料では、それはまったく伏せられ、「受け入れ側の不適正な取扱いによるものも少数存在」と、変えられていたのだ。
明らかに事前の説明と異なるのである。それを「受け入れ側の不適正な取り扱い」で済ませてよいのだろうか。
15日のヒアリングで野党議員が「改竄ではないか?」と迫ったが、法務省は否定できなかった。
なりふり構わず法案を通したい安倍官邸の意向を汲んで、法務省はデータを改竄した。マスコミはそれを知っていながら、広告主の親分である経団連を恐れ、報道が遅れた。経団連の機関紙ともいえる日経は改竄を計算ソフトのミスであると報道した。
~終わり~