2代目「口だけ番長」が登場した。自民党の小泉進次郎・筆頭副幹事長。国会改革をブチ上げていながら、国会の正当性を損なう「参院6増」案に賛成票を投じたのである。野党席からブーイングが起きるのも当然だ。
進次郎センセイの体制迎合は今に始まったことではない。2016年9月、臨時国会の所信表明演説で安倍首相が自衛隊、海上保安庁、警察を誉めそやすと、自民党議員が立ち上がり拍手を贈った。日本の国会では極めて異例のスタンディングオベーションだった。この時も進次郎は立ち上がって拍手した。
威勢のいいセリフがポンポンと飛び出すが、決して安倍を批判しない。野田聖子総務相や石破茂元幹事長の方がよっぽど過激だ。
父親(純一郎)譲りの刺激的で短いフレーズは、いかにもマスコミ好みだ。進次郎のキャッチーな言葉を聞き洩らすまいと、記者やカメラマンが群がり黒山の人だかりとなる。自民党も進次郎の人気を巧く利用する。安倍政権がデタラメの限りを尽くしても、進次郎の放つ一見、小気味いいフレーズはガス抜きの役割を果たすのである。
2003年9月、安倍は選挙の顔として幹事長に抜擢された。40代の若き幹事長にオバサマたちはキャーキャー熱狂した。マスコミはそれに便乗した。マスコミが加勢して創り出した人気に自民党も乗った。安倍は進次郎の15年先を行っているのだ。
マスコミに持ち上げられていた安倍幹事長は今、マスコミをほぼ完全掌握し、ほぼ完全に世論を操作するに至った。進次郎筆頭副幹事長も先達に倣(なら)うのだろうか。(敬称略)
~終わり~
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西日本への取材が立て続いたため『田中龍作ジャーナル』の台所が厳しくなっております。現場に足を運び、安倍政権の酷い実態を可視化してきました。
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