これがエルサレムの新・米国大使館だ 「パレスチナの板門店」に立地するトランプ大統領の愚行

新・米国大使館となる現領事館。米国籍を持つユダヤ人がパスポート更新などで利用する。=6日、エルサレム市郊外 撮影:田中龍作=

新・米国大使館となる現領事館。米国籍を持つユダヤ人がパスポート更新などで利用する。=6日、エルサレム市郊外 撮影:田中龍作=

 エルサレムの中心街から車で南南東に15分ほど走った所にそれはあった。現・米国領事館である。トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことに伴い、14日、米国大使館はテルアビブからエルサレムに移転する。新大使館となるのは、現領事館の建物だ。

 写真を撮りに行く前に場所を調べていて、田中は腰を抜かした。新大使館(現領事館)の立地場所は、国連が第一次中東戦争(1948年)を受けて、49年に停戦ラインとしたエリアなのである。地図をよく調べてみると“demilitarized area(非武装地帯)”あるいは“armistice line(休戦ライン)”と記されている。

 第一次中東戦争は、イスラエル建国に伴い勃発したアラブ諸国とイスラエルとの戦争だ。新大使館となる場所は、まさしく「アラブの板門店」「パレスチナの板門店」なのである。

 板門店のように物理的に休戦ラインを示す物がないのは、第3次中東戦争(1967年)で、そのはるか東までイスラエルがヨルダンから領土を奪ったからだ。

 エルサレムにはもう一つ米国領事館がある。街の真ん中だ。これを大使館としてもいいはずだ。この方がよっぽど便利である。

 にもかかわらず、トランプ政権は、わざわざ休戦ライン上にある方の領事館を大使館とした。いかにもキリスト教福音派の意向を受けた対アラブ・パレスチナ強硬姿勢だ。

 パレスチナ人に米国大使館のエルサレム移転について感想を聞くと、誰もが「トランプ(大統領)、クレイジー」と吐き捨てた。

 もし朝鮮半島の板門店に米国が大使館を持ってきたら、どうなるだろうか? 今回の米大使館移転問題は、それだけの意味を持つ。

「ここはイスラエルの土地だ」。新米国大使館の周囲は、既成事実作りの定番であるユダヤ人入植地だ。第3次中東戦争(1967年)前はヨルダン領だったのだが。=6日、エルサレム市郊外 撮影:田中龍作=

「ここはイスラエルの土地だ」。新米国大使館の周囲は、既成事実作りの定番であるユダヤ人入植地だ。第3次中東戦争(1967年)前はヨルダン領だったのだが。=6日、エルサレム市郊外 撮影:田中龍作=

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