国は契約に反して値引きをしていた。それも8億円もの ―
「乙(学校法人・森友学園)は地下埋設物に関する一切の瑕疵の存在を了承したうえで本件土地を現状有姿で買い受ける」。国と森友学園とで交わした売買契約書の第42条だ。
同条には土壌汚染のほか、ゴミや土中深い箇所での地下埋設物についても「一切の財産的請求をしないことにつき確認する」と書かれている。
何が出てきても国に原状回復費用を請求しませんよ、という内容だ。
ところが、契約内容に反して巨額のカネが動いた。不可解な経緯はこうだ ―
同年3月、「杭打ち工事で新たな地下埋設物が発見された」と森友学園から近畿財務局(財務省の出先)に連絡があった。
4月、国(大阪航空局※)は「撤去費用は8億1,900万円」と見積もり、その分を差し引いた金額を売り渡し額とした。1億3,400万円である。
疑惑を追及していた地元豊中市議会の木村真議員が同年9月、近畿財務局に情報公開請求すると、この第42条部分が黒塗りで出てきた。
国が隠したくなるのも当然である。本来、後から出てきた埋設物の撤去費用など契約上、請求できないようになっているからだ。
契約内容が公にされないまま、本来差し引くべきでない金額が差し引かれて、破格の売り渡し額が決定されたのである。
ベテランの宅地建物取引士は「もともと荒地だった所に、瑕疵担保・瑕疵責任特約を付けるのは当たり前」。
だれも全容を見ないだろうという前提で、あたかも通常の取引であるかのように装った契約書なのだ。
カラクリは以下となる―
「当初の不動産鑑定士による鑑定額9億5600万円」 ― 「国が森友学園に支払った土壌汚染廃棄物除去のための1億3176万円」=8億円余り。
森友学園が国からもらったカネを使って、土地代金を支払ったかのように見せる筋書きだ。
筋書きを実現するには、後から出てきた埋設物撤去費用を8億円余りとしなくてはいけなかったのである。
結果として広大な国有地がタダ同然で「安倍晋三記念小学校」に払い下げとなったのである。
~終わり~
※
伊丹空港の間近にあった土地を騒音対策のため大阪航空局が買い取っていた。
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