どこまで膨らむのか。どこまで東京都が負担するのか。国民の税金にどこまで転嫁されるのか。
民進党がきょう、東京オリンピック・パラリンピックにかかる経費について、内閣官房やスポーツ庁からヒアリングした。
立候補した時には7,800億円だったのが3兆円に膨らみ、11月29日の4者(IOC、五輪組織委員会、東京都、国)協議の結果、2兆円となった。
1兆円という巨額がこれほど簡単に削減できるのであれば、積算根拠が怪しくなる。杉尾秀哉議員らが「内訳はどうなっているのか?」と迫った。
内閣官房は「(森喜朗元首相率いる)組織委員会から『いろいろと積み上げていった結果、にー・てん・れい(2兆円の意味)を下回る』という説明が口頭であった」と答えた。
何を「いろいろと積み上げていった」のか説明は ひとつも なかった。内訳は示さないままだった。
だが江田憲司代表代行らは政府から幾度も言質を取った。内閣官房は「国が負担するのは新国立競技場の一部。他は東京都と組織委員会」と答えた。
江田氏は橋本龍太郎首相(1996年~98年)の補佐官を務めた経験があり通産官僚出身だ。政治家や役人の手の内を熟知している。
きょうのヒアリングは、スポーツ評論家の玉木正之氏が傍聴した。
玉木氏は「説明になっていない。ズサン」と吐き捨てたうえで「(国立競技場の一部だけ国の負担というのは)大ウソ」と指摘した。
天井知らずの巨額出費は、税金という形で国民の負担になるということだ。
公共工事は総事業費の5%が政治家にキックバックされる。200億円の施設であれば10億円が政治家の懐に入るのである。
オリンピック関連施設を造りたくてしょうがない政治家がリーダーシップを握る。マスコミが追従する。予算は2020年まで膨らみ続ける。だが誰も止められない。
子どもが満足に食べられなくなり、年寄りの年金は減らされる。日本はオリンピックなんぞできる国ではないのだ。
~終わり~