京都市長選を前に「共産党とは徹底的に戦う」と宣言し、物議をかもした民進党の福山哲郎・候補予定者(現職)がきょう、「戦争法廃止・安倍内閣退陣集会」に参加した。(主催:同実行員会)
会場は東京の日比谷野音にあたる京都・円山公園音楽堂だ。参加者で満席となった。共産党の候補予定者、生活の党の元衆院議員らも出席した。
福山が登壇したが、他党と比べると拍手は少なく音も弱かった。聴衆は義理で手を叩いているといった風で、表情は冷めていた。
福山本人は「お前のために集まったんじゃないと言われるでしょうが・・・」と自虐ネタを飛ばすことで、辛うじて場を持たせた。
理由は連合京都の新年旗開きでの福山の発言だ。「共産党とは徹底的に戦う。力添えしてほしい」とぶち上げたのだ。
2月7日投開票の京都市長選に対する民進のスタンスがモロバレとなった。
田中龍作ジャーナルのインタビューに対して聴衆は口々に「市長選挙はがっかりした」「市長選挙での発言が忘れられない」と語った。
昨年夏の安保国会で福山は野党の急先鋒として安倍政権を追及した。それだけにリベラルが多い京都市民の落胆と反発は大きかった。
「(昨年)夏は福山さんと握手をかわしたが、今はそんなことできないくらい がっかり している。本当に『あの野郎』って思う。
向こう(福山)が市民運動を捨てたと思っているのなら、私たちもあっち(福山)を使い捨てだと思ってやる。手をつないで『野党共闘』と言えるようになりたい」 ― 滋賀から足を運んだ女性(30代)は怒りの中にもあきらめを込めて話した。
京都市議会は共産党を除くオール与党だ。今年2月の市長選挙では、自民、民進(当時民主)、公明、社民が現職の門川大作氏を推し、3選に導いた。
福山も選挙では自公と上手に棲み分けている。
神奈川県議会はじめ全国の地方議会で進むオール与党化は、議会の質の劣化と有権者の政治的無関心を招いている。
福山の秘書を務めた泉健太が当選した衆院京都3区の補選は、投票率が30.12%と史上最低となった。
ライバル候補である共産の新人候補の知名度が高かったら、どうだろう。(改選は2議席)
福山は数千人もの有権者を前に自虐ネタを飛ばせただろうか? (敬称略)
~終わり~
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