小さく上がったり下がったりはするけども、衆院選挙の投票率は下がり続ける一方だ。前回(2012年)は59・32%と戦後最低となった。
マスコミの世論調査では、今回は前回をさらに下回り、最低記録を更新しそうだ。
大本営発表を受けた新聞各紙の「自民300議席」 報道が、ますます投票率を下げる。有権者は「自分が投票に行ったからといって大勢が変わるものではない」と あきらめる からだ。
投票率が下がれば、強固な組織を持つ自公が有利になる。
これではいけない。政治に関心を持ってもらおうと活動を続ける市民グループ『VOTE部』が、「投票率アップ作戦」を現在展開中だ。
身近な人に「何のために投票するのか」をボードに書いてもらい、それをネットで拡散する作戦だ。
世田谷区在住の男性(61歳・アルバイト)は『あなたの大切な人たちのために選挙に行こう』と書いた。
男性は「自分のためには動かない人でも、愛する人のためなら動くから」とメッセージの意味を説明した。
「息子の世代は年金をもらえないような世の中になっているかもしれない」と心配する。
「道はひとつじゃない」と書いたのは都内在住の男性(83歳・年金生活者)だ。安倍首相の「この道しかない」への あてつけ である。
敗戦の時、中学校2年生だったという。「この道だけだったら翼賛政治だ」と喝破した。
安倍政権が新聞・テレビを利用して投票率を下げようとするのであれば、「投票率アップ作戦」はネットで対抗しようという戦術だ。
大本営は「敗北」を「転進」、「全滅」を「玉砕」と言い換えた。海外からは失敗と指摘されているアベノミクスを「今が胸突き八丁」「道半ば」と言いくるめる安倍政権と同じではないか。
選挙結果が安倍政権の広報と化した新聞の報道通りになるのであれば、この国は「いつか来た道」を進むことになる。