ロシアのプーチン大統領が「クリミアの併合」を布告した18日、州都シンフェロポルのウクライナ軍基地で銃撃戦があった。死傷者が出ているもようだ。
情報が錯そうしており、犠牲者が出ているのはロシア軍側なのかウクライナ軍側なのかも判明していない。死傷者の数も定かではない。ウクライナ政府は、ウクライナ軍の下級将校1人が死亡、将校1人が負傷したとしている。
BBCで第一報に接した筆者はすぐに現場に走った。銃撃戦のあった基地はシンフェロポル西部の住宅地にある。警察がはるか手前から規制線を張っているため基地のようすをうかがい知ることはできない。
内外のジャーナリストが40人ほど詰めかけていて、ものものしい雰囲気が張りつめている。地元記者などによると事件は2通りある―
ひとつはウクライナ軍基地内から発砲があり、基地を封鎖しているロシア軍側(あるいはロシア系民兵)に死傷者が出ている。もうひとつはロシア軍が基地内に侵入を図ろうとして発砲し、ウクライナ軍側に死傷者が出ている。
当局による記者会見もないため事実確認のしようもない(日本時間19日午前2時現在)。確かなことはウクライナ軍基地で銃撃戦があったこと。それもプーチン大統領が「クリミアはロシアの領土である」と布告して間もなく。
16日に実施された住民投票でロシアへの併合が決まってからは、シンフェロポルにもロシア軍が進駐するようになった(写真)。シンフェロポルのウクライナ軍基地はそれまでロシア系住民による自警団が封鎖していたが、ロシア軍がとって代わった。
もしロシア軍側に死傷者が出ているようであれば、プーチン大統領に本格軍事介入の口実を与えることになる。