明日(15日)から始まる臨時国会でとんでもなく恐ろしい法案が提出される。秘密保全法(特定秘密保護法案)だ。行政の長が秘密指定すれば、国民は一切知ることができない。何が秘密事項なのかも知ることができない。違反すれば10年以下の懲役だ。
秘密保全法の危険性を訴えて北海道から沖縄まで全国20都市を行脚した山本太郎議員がきょう、東京で街頭に立った。山本議員が国会開会前日の街宣の場に選んだのは、買い物客などで賑わう数寄屋橋だ。
「国会では(数の論理で)決着がついている。秘密保全法(の成立)を止めるためには皆さんの力を借りるしかない」。渾身の力を振り絞って訴える山本議員の作戦は、国会議員にファックスやメールを送りつけることだ。
自分の選挙区の有権者から「秘密保全法に賛成したら次の選挙では投票しません」と言われたら、そしてそれが1万通を超えたら国会議員には相当なプレッシャーだ。山本議員はこうして地元の国会議員にプレッシャーをかけるよう呼びかけてきた。
「この日本でどれだけの不当逮捕があるか。被曝を止めろ、原発を止めろと運動をしている人が、ただそこにいたというだけで逮捕されている。そのうえこんな法律(秘密保全法)が通ったらどうなるか」。
「(権力の)狙いは言論弾圧。奴隷になれということ…(中略)僕たちは奴隷じゃない。言いたいことを言う権利がある。知りたいことを知る権利がある。皆さん、秘密保全法を止めましょう」。
山本議員の街宣をネットで知り足を運んだ支持者や通りがかりの人で、会場は黒山の人だかりとなった。Ust中継をする姿が目立った。演説に耳を傾けていた人々に話を聞いた―
「(マスコミ)報道が本当の事を伝えていないことがさらに分かった。こんな恐ろしいことが今動いていることも私たち大多数の人は知らない。これが一番怖い」(40代主婦・都内)
「秘密保全法はアメリカの法律をモデルにしていると言われるが、アメリカに住んでいて本当のことが伝えられていないことを肌で感じていた」(米国在住の長かったアーティスト・20代男性)
昨日(13日)の脱原発デモに参加していた年配者にも話を聞いたー
「治安維持法が生活を支配してくるようになったと気付いた時はもう遅い。今の段階では皆、秘密保全法に怖さを抱いていない。(怖さを)抱いた時にはもう遅い。(私は)治安維持法を見てきたので知っている」(79才男性・札幌市)
自民党の石破茂幹事長はテレビ番組や講演会で「特定秘密保護法案を今国会で成立させる」と強い意欲を示している。衆参ともに自公が過半数を握る。提出されれば可決成立は免れない。
山本議員が呼びかけるように「秘密保全法賛成」の地元国会議員にファックスかメールを送りつけるしかないようだ。
《文・田中龍作 / 諏訪都》