自民党の政権復帰で見直される記者会見オープン化

“今は昔” 細野豪志環境相(当時)の記者会見。諏訪記者の執拗な質問にも丁寧に答えていた光景が懐かしい。=昨年5月、内閣府庁舎。写真:田中撮影=

“今は昔” 細野豪志環境相(当時)の記者会見。諏訪記者の執拗な質問にも丁寧に答えていた光景が懐かしい。=昨年5月、内閣府庁舎。写真:田中撮影=

 不安が現実のものとなりつつある。民主党政権下進められてきた記者会見のオープン化が、自民党政権に代わり見直されようとしていることがわかった。

 現在、オープン化の見直しを明言し、フリーランスや記者クラブ外メディアの記者会見を制限しているのが内閣府だ。民主党政権下、内閣府では細野豪志、長浜博行環境相(原発事故担当相)、平野達男復興担当相、岡田克也副総理らの記者会見がオープン化されていた。

 がれき処理の問題などで相棒の諏訪都記者が細野大臣に食い下がって質問していた。行財政改革で質問した筆者に岡田副総理が「失礼(な質問)だ」と激怒したこともあった。

 当局と馴れ合った記者クラブでは到底できない追及を、フリーランスやクラブ外メディア(例:週刊金曜日)のジャーナリストが行っていたのである。

 記者会見は以下の条件のいずれかに該当し、内閣府に登録しさえすれば、いつでも出席できていた。

1.(社)日本専門新聞協会会員社に所属する記者 (国会記者記章の保持者)
2.(社)日本雑誌協会会員社に所属する記者(国会記者記章の保持者)
3.外務省が発行する外国記者登録証の保持者
4.日本インターネット報道協会法人会員社に所属する記者で、十分な活動実績・実態を有する者
5.上記1、2、4の企業又は(社)日本新聞協会加盟社が発行する媒体に署名記事等を提供し、十分な活動実績・実態を有する者

 細野・長浜環境相、平野復興担当相、岡田副総理などの記者会見の開催案内は、前日夜、内閣府からメールで送られてきていた。 

 ところが自民党政権に代わってからは音沙汰なしになった。悪い予感がしたため内閣府(政策評価広報課)に問い合わせたところ、「見直しも含めて大臣室と調整中」と回答された。

 「今後もしフリーランス(記者クラブ外メディアも含む)にも記者会見出席を認めることになれば、改めて登録しなおしてもらう」とのことだった。

 コントロールのきかないフリーランスやクラブ外メディアは大臣側にとっても役所にとっても厄介な存在である。おそらく両者の思惑が一致してオープン化は見直され、フリーランスやクラブ外メディアは記者会見から締め出されたままになるのではなかろうか。

 内閣府関係の大臣は、稲田朋美行革担当相、甘利明経済再生担当相ら6人にのぼる。突っ込みどころ満載の人達ばかりではないか。ぜひ記者会見に出席して追及したいものだ。

 記者クラブメディアは度重なる東電の原発トラブルを驚くほど小さく扱ってきた。知っていながら報道しなかったトラブルは数知れないだろう。それが福島の大事故へとつながった。

 情報隠しは恐ろしい結果を招く。閉鎖された場所にある水は淀む。政府の情報を国民が共有するためにも、フリーランスやクラブ外メディアを記者会見から排除してはならない。

 今のところ各省庁舎で行われる大臣記者会見でフリーランスやクラブ外メディアが出席を拒まれたという情報はないが、内閣府が先例とならないことを願うばかりだ。

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