集団的自衛権の行使に向けてまっしぐら。安倍首相の暴走が止まらない。12日の衆院予算委員会で「(解釈改憲の)最高責任者は私だ」と言い放ち世間を驚かせたのもつかの間、きょうは「閣議決定で(解釈改憲を)初めて確定する」(衆院予算委)とまで明言した。
国のありようを決める憲法が首相と内閣の判断でこうも簡単に変えられて良いのだろうか? 超党派の国会議員がきょう、国会内で「憲法の番人」だった元内閣法制局長官の阪田雅裕氏を招き、集団的自衛権の勉強会を開いた。
「憲法9条が時代遅れというのであれば、憲法を改正してほしい。解釈で変更してはいけない」。阪田元内閣法制局長官は壇上に登ると開口一番こう切り出した。立憲主義の原則である。
阪田元長官は参院会館に詰めかけた市民を前に、安倍首相が いじろう としている憲法9条を分かりやすく解説した―
「9条2項の戦力不保持はキモ。自衛隊は戦力ではないから外国に出かけて行って戦争をすることはできない」。
「外国から武力攻撃を受けた場合、国民の生命財産を守るため自衛隊を持つことは戦力ではない」。
「自衛隊は生命財産を守るために必要最小限度の実力行使をする。よその国まで攻めていくものではない」。
「必要最小限度を緩めたからといって集団的自衛権の行使にはならない」。
「9条の解釈を変えて集団的自衛権を行使できるようにするのは不当である」。
「9条のもとで集団的自衛権が行使できるようになれば、9条はなくなる」。
「政府が解釈で憲法を改正できるようになれば、国民の出番はなくなる」。「自衛隊が海外で犠牲になる覚悟はあるのだろうか?」
《若手弁護士たちが安倍首相に憲法の教科書贈る》
解釈改憲は国民主権をないがしろにするものだ。海外の戦闘地域に出かけて行って武力行使すれば、相手国の軍隊はもちろんのこと自衛隊自らも死傷者を出す。当然、戦闘地域に暮らす無辜(むこ)の市民も巻き込まれて死傷する。
―‐安倍ボンボンはそこまで考えているのだろうか? 若手弁護士たちが安倍首相の知的レベルに合わせたバレンタインデーのプレゼントをした。
プレゼントを贈ったのは「明日の自由を守る若手弁護士の会」の面々だ。黒澤いつき共同代表がプレゼントの中味を明かした。
「安倍首相は法学部出身だそうだが、(法学部なら当然読んでいる)芦部先生の名前を知らないと答弁したので、読んで欲しいと思い、チョコと本『憲法(芦部信喜著)』を贈った。手紙も添えた」。
黒澤共同代表がこう話すと会場から失笑がもれた。ゆうパックで送ったプレゼントは、2月14日に官邸にしっかり届いたそうだ。
若手弁護士の会は近く、一般向けに『2分でわかる集団的自衛権』というリーフレットを出版する。集団的自衛権の何たるかが理解できていない安倍首相はじめ、取り巻き議員たちにはこちらの方が向いていそうだ。