原発からの汚染水ダダ漏れに打つ手がないのにオリンピックを招致し、五輪開催予定都市の知事は、金銭スキャンダルで地位が危うい。“ カネさえあれば ”の日本を象徴するような事態がいま起きている。
前回(1964年)のように経済が右肩上がりの高度成長期ならばともかく、1年に人口が70万人も減っていく衰退のドツボから抜け出す道筋を見つけきれない日本。オリンピックなんぞやってる場合だろうか?
開催決定前から「オリンピックは要らない」とアピールしてきた「反五輪の会」が今夕、「猪瀬も五輪も返上デモ」と名付けたパレードを行った。
「オリンピックなどやめちまえ」「猪瀬もついでにやめちまえ」……参加者たちはシュプレヒコールをあげながら東京都庁の御膝元の新宿を練り歩いた。
デモ参加者たちの多くは、猪瀬都知事の金銭スキャンダル以上に五輪招致に憤っていた―
「オリンピック以外にやるべきことがあるのになおざりになっている。底辺のことがわからない人たちが勝手に(五輪を)招致している」(都内在住・30代女性)
「都民のだらしなさに腹が立っている。都民がOKしてしまったために税金を使うハメになった。本気で怒っている」(千葉県在住・50代女性 会社員)
「 “ おもてなし ”を受けていたのは猪瀬だった。庶民を切り捨ててふざけるなと言いたい」(都内在住・60代女性)
オリンピック、猪瀬都知事、両者に共通するのはカネによる支配だ。オリンピックのために税金を使われ、都営アパートを追われる、憩いの場である神宮の景観も破壊される・・・・。
猪瀬都知事はこれらにGOサインを出した人物だ。オリンピックのためにプールした4000億円を福祉に使えば、東京もこれほど住みにくい都市にならなかったろう。
オリンピックも猪瀬都政も、一度白紙に戻して考え直すいいチャンスだ。