タクシム広場は日中、火力に勝る警察がオキュパイ側を制圧したかに見えた。だが、夕方になると仕事を終えた人々が続々と駆け付け、広場は再び市民によって占拠された。
「ヘル イェル タクシム、ヘル イェル ディレニシユ=どこでもタクシム、どこでも抵抗」。シュプレヒコールが夜のとばりを突き破って響いた。広場を市民が取り戻した…と思ったのは束の間だった。
警察は猛烈な勢いで催涙弾の一斉射撃を始めたのである。広場を逃れた人々が濁流のごとく通りに押し寄せた。ガスマスクをつけた人たちも数多い。
警察が放った催涙弾の数は、広場に立ちこめるガスの濃度で分かる。日中よりもはるかに濃い。目とノドが痛くてしきりとむせた。
オキュパイ側は広場に隣接するゲジ公園に立てこもり懸命の抵抗を続ける。時折、ロケット花火のようなものを飛ばし、レーザー光線を警察に向けて照射する。
警察は公園の中に向けて催涙弾をしきりと放った。ゴム弾を使っているとの情報もある。死者が出ることが懸念される。警察の急襲から15時間余りが過ぎた(日本時間12日午後5時30分現在)。オキュパイ側は水も食糧も尽きているはずだ。
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