「ワークライフ・バランスを守りながら働きます」

労働者の政党だった社会党の歴史は戦後80年の歴史でもある。=23日夕、憲政記念館 撮影:田中龍作=

社会党結党80年を記念する夕べが、23日夜、永田町の憲政記念館であった。

社民党副党首のラサール石井参院議員が挨拶した。

「社会党は生まれて80年、私は国会議員になって80日、ワークライフ・バランスを『守って』働きます」と述べて会場の笑いを誘った。ラサール氏らしいペーソスが滲んだユーモアだ。

社会党(現社民党)の歴史は日本の労働運動の歴史だった。連合なんぞない頃、社会党を支えていたのは役所の労働組合(自治労)や国鉄の労働組合だった。

社会党は立憲や国民民主のように、経団連の顔色を伺うことなく自民党と対峙できた。実際、自民党を脅かせる議席数を占めていた。

娘を過労死させたワタミを参院選挙で公認した自民党に抗議する父親。=2013年、自民党本部前 撮影:田中龍作ジャーナル取材班=

高市首相は21日、上野厚労相に「残業時間の規制撤廃を検討するように」指示を出した。

自民党総裁選に当選した際、高市氏は「働いて働いて働いて働いて…」と決意表明した。悪い予感がした。予感は不幸にも的中した。

「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表世話人は、「大切な家族が馬車馬のごとく働かされて過労死した」と話し、高市首相が唱える規制緩和に反対した。

「全国過労死を考える家族の会」は安倍首相に面会を求めて2日間、座り込んだが無視された。=2018年、官邸前 撮影:田中龍作=

安倍政権時の2018年6月、「労働者を死ぬまでコキ使っても、何の罪にも問われない」。経営者にとっては夢のような法律が制定された。

過労死促進法と異名をとる「高プロ制度」がキモの「働き方改革(働かせ方改悪)」法である。

「高プロ制度」とは高度プロフェッショナル制度の略。

年収が1075万円以上の高度な専門知識を持つ労働者は、労働時間の制限がなく、何時間働いても残業代は発生しない。

安倍路線の継承を目指す高市首相の下、「第2の過労死促進法」が制定されないことを祈るのみだ。

経団連の顔色を伺う必要のない野党が登場しない限り、労働者は報われない。

 ~終わり~

 ◇

田中龍作ジャーナルは読者のお力により維持運営されています。

ご支援カンパ何とぞ御願い申し上げます。

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

政治