
梅村みずほ議員が登壇すると抗議のコールはひと際大きくなった。奥には大日本帝国の旭日旗がはためく。=8日、新宿南口 撮影:田中龍作=
これは、ひと頃吹き荒れたヘイトデモではないか。昨日9日、新宿であった参政党の街宣現場に身を置いていて、そう感じざるを得なかった。
排外主義を批判するプラカードが会場を埋め尽くすなか、カウンターの「差別を止めろ」のコールが大合唱となった。
警察はカウンターの活動を力づくで規制した。逮捕者が出るのではないかと思うほどだった。これまたヘイトデモと同じだ。
田中は聴衆と同じ場所に立つためカラーコーンの内側で撮影していた。するとオレンジ色のポロシャツを着た参政党のスタッフが近づいてきて田中を外に出そうとした。
カメラに巻きつけていたPRESSの腕章を見せて「取材ですよ」と言ったが、参政党のスタッフは「認めない」と言い放った。
スタッフに寄り添っていた制服警察官が田中を押し出そうとしたが、田中が「ここは公道ですよ」と言うと離れて行った。
記者の事前登録は街宣にも適用されるのか、と思ったしだいだ。
放送免許取り消しをチラつかせ、極右との評判もある高市元総務大臣の政権に参政党が入閣するようなことがあれば、カウンター活動が非合法となる危険性もある。もちろんフリージャーナリストの取材も。

街宣会場に座り込んでいたカウンターの青年を排除しようとする警察と参政党スタッフ。=8日、新宿南口 撮影:田中龍作=
参政党の神谷代表は5日、ドイツの極右政党AfD(ドイツのための選択肢)と国会内で会談した。
移民・難民を敵視する排外主義を掲げるAfDは2月の総選挙で躍進し、国政第2党にして最大野党となった。
急成長ぶりは参政党も同様である。
AfDをめぐっては、おととい7日、地方議員宅から大量の爆発物と武器が見つかり、捜査当局に押収される事件が起きている。
経済が悪くなればなるほど、排外主義は間違った説得力を持ち、国民の間に浸透してくる。
日本が坂道を転げ落ちるのは時間の問題かもしれない。

時おり白煙が上がった。近くまで行って確認したが発煙筒ではなかった。=8日、新宿南口 撮影:田中龍作=
~終わり~
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【読者の皆様】
参政党の危険性を見届けるために田中は京都、大阪まで足を延ばしました。ファシズムは気づいた時にはもう手遅れです。