「ザイム真理教」の名言を残し、この世を去った経済評論家・森永卓郎さんの追悼デモが、きょう31日、財務省前であった。(呼び掛け:ころん氏)
庶民の視点からの解説が信条だった森永さんの死を悼み、日頃から「財務省解体」を訴えている市民たちが、朝早くから集まった。
日本国民の消費マインドと同じくらい冷え込んだ寒い寒い北風が吹く中だった。デモが始まった頃は100人位だったが、参加者は見る見る増え、終盤は約300人にまで膨らんだ。
財務省前の歩道はデモ参加者で埋め尽くされた。「財務省解体」「財務省解体」を繰り返すシュプレヒコールは、10 年余り前、官邸前を席捲した「(原発)再稼働反対」「再稼働反対」を彷彿させた。
怒りの声は鳴り物のリズムに乗って「ザイム真理教」本部に突き刺さった。制服警察官が出動するのではないかと思うほど、デモのボルテージは上がった。
埼玉県八潮市の県道で発生した道路陥没事故は、この国の近未来を暗示する。下水道の老朽化が原因だ。
全国の下水道管の総延長は約49万㎞で、このうち耐用年数とされる50年を超えているものが約3万㎞もあった(国土交通省まとめ=2022度末現在)。
この手の事故はこれから各地で起きる可能性が高い。老朽化した下水道管をリニューアルするには莫大な費用がかかる。
下水道ばかりではない。橋の老朽化を指摘する専門家もいる。次は橋が落ちるだろう。
きょうのデモでは「インフラがボロボロじゃないか」「インフラを整備しろ」の声もあがった。
事故が多発するようになるとインフラ整備のための増税は避けられなくなる。すでに収入の半分を税金で持って行かれており、生きていくのがやっとだ。これ以上の税負担は死刑にすら値する。
政治は半世紀にわたりそして今なお少子高齢化に無策だった。この国を貧しくした自民党と財務省(大蔵省)の罪は重い。
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